・隙間の数理 S.H氏
男子4人、女子2人の計6人が横1列に並ぶとき、女子2人が隣り合わない場合の数を求
めよ。
この問題について、2通りの解法がある。
(その1) 起こりうる全体の場合の数から隣り合う場合を引く考え方
6!−5!2!=720−240=480(通り)
(その2) 「隣り合わない」を間に1人以上入るという考え方
男子4人を並べて、その隙間5個から2個選んで女子2人を並べる。
4!・5P2=24×20=480(通り)
このような2つの考え方のどちらが優れているか、一般の方の意見を待たなければならな
いが、私個人としては、直接的に計算できる(その2)の方が好きである。ただ、包除原理を
使うような場合もあり、(その1)の考え方も捨てがたいものがある。
この話題に関連する問題が、京都大学前期理系入試(2007)で出題された。
1歩で1段または2段のいずれかで階段を昇るとき、1歩で2段昇ることは連続しないも
のとする。15段の階段を昇る昇り方は何通りあるか。
(解) 1歩で1段昇る回数を x、2段昇る回数を y とすると、題意より、 x+2y=15
この方程式を満たす整数解は、
(x,y)=(15,0)、(13,1)、(11,2)、(9,3)、(7,4)、(5,5)、(3,6)、(1,7)
(x,y)=(15,0)のとき、昇り方は、1通り
(x,y)=(13,1)のとき、昇り方は、14C1=14(通り)
(x,y)=(11,2)のとき、昇り方は、12C2=66(通り)
(x,y)=(9,3)のとき、昇り方は、10C3=120(通り)
(x,y)=(7,4)のとき、昇り方は、8C4=70(通り)
(x,y)=(5,5)のとき、昇り方は、6C5=6(通り)
(x,y)=(3,6)のとき、条件を満たす昇り方はない。
(x,y)=(1,7)のとき、条件を満たす昇り方はない。
したがって、求める場合の数は、 1+14+66+120+70+6=277(通り) (終)
(コメント) この隙間を考えるというアイデアは私が高校生の頃発見したものである。なぜか
参考書等ではあまり見受けられない。ちょっと不思議だ。