・ナポレオンの定理                     S.H.氏

 ナポレオンとはあの有名なナポレオン・ボナパルト(1769〜1821)のことである。大変興味
ある定理を残している。

 任意の三角形の外部に出来る正三角形の重心を結ぶ三角形は正三角形

 証明は、Webサイトを検索すれば、容易に確認できる。

 複素数(60°回転の複素数 ω(1の3乗根))や、正弦・余弦定理を用いた証明が知られ
ているようである。私的には、正弦・余弦定理を用いて、3辺の長さが等しいことを示す方法
が好きかな?


 KSさんより、関連する話題をメールで頂いた。(平成26年12月10日付け)

 元の三角形の外側に作る正三角形の重心を結んでできる正三角形を外正三角形とよび、
元の三角形の内側に作る正三角形の重心結んでできる正三角形を内正三角形とよぶ。

 このとき、

  外正三角形の面積―内正三角形の面積=△ABCの面積

が成り立つ。

(証明) 一つの頂点を原点において他点を第一象限におく。複素平面を使って示す。

 A(0,0)、B(x1,y1)、C(x2,y2) (x2>x1、y1>y2) とし、△ABCの面積をSとすると、

  S=(1/2)| x12−x21 |=(1/2)(x21−x12

である。(→ 参考:「三角形の面積の公式」)

 ここで、

 z1=x1+i・y1、z2=x2+i・y2、θ=cos30°+i・sin30°、θ~=cos30°−i・sin30°

とすると、外正三角形の2頂点は、 w1=(1/)z1θ、w2=(1/)z2θ~ となり、

  その面積は、 S=(/4)| w1−w2 |2 である。

 同様にして、内正三角形の2頂点は、 w1’=(1/)z1θ~、w2’=(1/)z2θ となり、

  その面積は、 S=(/4)| w1’−w2’ |2 である。

 ここで、

 | w1−w2 |2−| w1’−w2’ |2

=| (1/)z1θ−(1/)z2θ~ |2−| (1/)z1θ~−(1/)z2θ |2

=(1/3){(z1θ−z2θ~)(z1~θ~−z2~θ)−(z1θ~−z2θ)(z1~θ−z2~θ~)}

=(1/3)(z12~−z1~z2)(θ~2−θ2

=(1/3)・2i(x21−x12)・(−i)=(2/)(x21−x12

 よって、S−S=(/4)(2/)(x21−x12)=(1/2)(x21−x12)=S  (証終)


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