・3次方程式の解2                よおすけ 氏

 方程式 x3-3x+2=0 を、「因数分解」の裏技の式を利用して解いてみます。

 まず、x3=1 を満たす x の値は、1 と (-1±i)/2 で、このうち、(-1+i)/2=ω とすると、

もう1方は、ω2 となる。このとき、ωの性質から、ω3=1、ω2+ω+1=0

 「因数分解」の裏技の式を、1次式に更に分解すれば、

  x3+y3+z3-3xyz=(x+y+z)(x2+y2+z2-xy-yz-zx)=(x+y+z)(x+yω2+zω)(x+yω+zω2)

 ここで、 yz=1、y3+z3=2 を満たす y、z を用いて、 x3-3x+2=x3+y3+z3-3xyz と書ける。

 z=1/y とすれば、 y3+(1/y)3=y3+1/y3=2 より (y3)2-2y3+1=0  よって、y3=1

 このとき、 y=1、ω、ω2

 y の値はいずれを使っても同じ結果になるので、ここでは、y=1 を使います。すると、z=1

 よって、3つの x の値は、

  x=-y-z=-1-1=-2 、x=-yω2-zω=-ω2-ω=1 、x=-yω-zω2=-ω-ω2=1


 本来なら、極形式や3乗根を用いるのですが、今回はたまたまこのようにできた、という
わけです。通常は、暗算で、1つの根が x=1 だから、因数分解して、

  x3-3x+2=(x-1)(x-1)(x+2)=0

より、この方程式を満たすxの値は、1、-2 と求めます。


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