・ 巨大数を作る                   S.H氏

 世の中には手軽に意味のない巨大な数を作る方法が存在する。その一つの方法として、
1995年に Clifford Pickover によって定義された超階乗 n$ がある。

      

例 1$=1!=1 、 2$=2!2!=22=4

 手計算で求められるのは、多分上記のものだけである。3$については、定義より

      

であるが、もはやその値を正確に計算することは不可能だろう。

 上記の数の読み方も込み入っている。次のよう読むのだろうか?

     6の6の6の6の6の6乗

 これでは絶対途中で、「訳、分からん...!?」になると思う!

「冪(べき)」を表す記号「^」を用いれば、 6^6^6^6^6^6)}〕〉 とも書ける。

 表計算ソフト Excel を用いて計算できるのは、せいぜい

     19=609359740010496

までである。

 3$という数は恐ろしく巨大な数で、我々人間には手が出せない神の領分に属するよう
な印象があるが、よくよく見ると、3$は驚くほど単純な構造になっていることに気がつく。
 すなわち、
         3$は、幾つかの「6」を単に掛け合わせたもの
に過ぎない。

 このことに注目すると、3$の値を正確に求めることは困難であるが、例えば、下3桁が
どのような数になるかを求めることぐらいは出来そうである。そこで、表計算ソフト Excel
を用いて、「6」という数を延々と掛け続けてみた。単に計算させると、直ぐに計算はオー
バーフローしてしまうので、MOD関数を使って、下3桁のみの数字の出方の様子を眺め
てみた。

 すると、そこには恐ろしく美しい法則性が存在した!

 1〜999までしか考えないので、「6」という数を延々と掛け続けると、鳩ノ巣原理により、
あるところから循環するだろうことは予想できる。

 実際に、次のような順番で循環する。

10 11 12 13
6 36 216 296 776 656 936 616 696 176 56 336 16 96 576
                             
14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 ・・・・・
456 736 416 496 976 856 136 816 896 376 256 536 216 ・・・・・

 166個の6の倍数のうち、出現するのはわずかに25個だけであることにも驚かされる。

 ところで、 66=46656 なので、

            

は、6を46656回掛け合わせたものである。この数の正しい値を求めることは困難である
が、その下3桁については、上記の循環しているという性質を活用すると容易に求めること
が出来る。

 すなわち、  46656−2 を 25 で割った余りは、4 なので、上記の表から、

            

の下3桁の数は、 656  である。

 この操作を続けていくと、

   3$は、6を ***・・・***656回掛け合わせた数

なので、上記と同様の計算(2を引いて、25で割る)をして、余りが 4 であることから、

    3$の下3桁の数は、 656

であると言える。

(コメント) 当初インターネットで調べても、この超階乗についての記述はあまりなく途方に
      暮れた。しかしながら、上記のように少しずつ解きほぐして、3$の数字の並びの
      一端を垣間見ることが出来て、ほっとしている。また、十分楽しむことができた!

       このような計算をしたホームページを検索することはできなかったので、多分、
      この世界では初めての計算かな?と思う次第である。

       この超階乗について、もっとご存じの方がおられたら、是非ご教示ください。


(追記) 3$の下3桁を求めた以上、下4桁も求めてみようという気になった。

 「6」という数を延々と掛け続けると、下4桁の数字は、次のように出現する。

6 、36 、216 、1296 、7776 、6656 、9936 、9616 、7696 、6176 、7056 、

2336 、4016 、4096 、4576 、7456 、4736 、8416 、496 、2976 、7856 、

7136 、2816 、6896 、1376 、8256 、9536 、7216 、3296 、9776 、8656 、

1936 、1616 、9696 、8176 、9056 、4336 、6016 、6096 、6576 、9456 、

6736 、416 、2496 、4976 、9856 、9136 、4816 、8896 、3376 、256 、

1536 、9216 、5296 、1776 、656 、3936 、3616 、1696 、176 、1056 、

6336 、8016 、8096 、8576 、1456 、8736 、2416 、4496 、6976 、1856 、

1136 、6816 、896 、5376 、2256 、3536 、1216 、7296 、3776 、2656 、

5936 、5616 、3696 、2176 、3056 、8336 、16 、96 、576 、3456 、736 、

4416 、6496 、8976 、3856 、3136 、8816 、2896 、7376 、4256 、5536 、

3216 、9296 、5776 、4656 、7936 、7616 、5696 、4176 、5056 、336 、

2016 、2096 、2576 、5456 、2736 、6416 、8496 、976 、5856 、5136 、

816 、4896 、9376 、6256 、7536 、5216
 、1296 、7776 、・・・・・・・・・・・・・・・・


 上記の青色の数字が循環する部分で、125個ある。

 ところで、 66=46656 なので、

            

は、6を46656回掛け合わせたものである。上記の循環しているという性質を活用すると、

46656−3 を 125 で割った余りは、28 なので、上記の表から、

            

の下4桁の数は、 8656  である。

 この操作を続けていくと、

   3$は、6を ***・・・***8656回掛け合わせた数

なので、上記と同様の計算(3を引いて、125で割る)をして、余りが 28 であることから、

    3$の下4桁の数は、 8656

であると言える。

(コメント) 3$の下3桁が求まったら、次は下4桁、そして、下5桁、・・・と興味は尽きない
      が、計算の方針は全く同じなので、ここで幕引きとしたい。


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