公平さの代名詞でもあるコイントスでのコインに、エレクトロニクスの最先端の技術を用い
て、過去に出した表、裏の回数を記憶させていく機能を内蔵し、次に出る表裏がその過去
の回数に比例する頻度でひっくり返る構造を巧み組み込まれたコインを開発した。
例えば、1回目のトスでは表が、2回目のトスでは裏が出たこの特殊コインは、3回目が表が
でる確率は過去2回の内で表は1回出ているので、1/2の確率で起こり、同じく、1回目のトス
では表が、2回目のトスでは裏で、3回目が裏がでる確率は過去2回の内で裏は1回出ている
ので、1/2の確率で起こる。
また、1回目表が、2回目裏が、3回目表がでたコインは、4回目が表になる確率は、2/3(過
去の3回中2回が表になっているから)
また、1〜3回までが同じ状態のとき、4回目が裏になる確率は、1/3(過去の3回中1回が裏
になっているから)でコインがひっくり返るとする。
さて、この特殊コインを使い、1回目表が、2回目裏がでたとき、3回目以降コイントスを10回
やったものとする。
このとき、3回以降のコインの表、裏が出たそれぞれの回数合計が
(1) (表,裏)=(4,6) である確率P1
(2) (表,裏)=(7,3) である確率P2
をそれぞれ求めてほしい。
DD++ さんからのコメントです。(令和6年1月29日付け)
このコインは 1 回目に表が出たら以後表しか出ませんし、1 回目が裏なら以後裏しか出ま
せん。よって、「1 回目が表、2 回目が裏ということがそもそも起こり得ない」が答えですかね。
GAI さんからのコメントです。(令和6年1月29日付け)
1回目だけを考えるとそういうことになりますね。これでは全く面白くもないので、1、2回目を
初期条件としてもらい、3回目以降がこの特殊コインが使われるものと考えてもらいたいので
すが・・・。
DD++ さんからのコメントです。(令和6年1月30日付け)
これまでに表が m 回、裏が n 回出ている場合、表と裏が (m+1):(n+1) の確率で出るコイ
ンを何の前提もなしに 10 回投げる
と思えばいいですか?
それなら、任意の 0≦k≦10 に対し、表が k 回出る確率は 1/11 です。
以前同様の問題をポリアの壺の関連問題として解いたことがあったはずですが……。
→ (参考):「確率」
同じような内容になりますが、考え方を書いておきます。
“0” から “10” までの数字を書いた 11 枚カードを用意し、最初に “0” だけをデッキとして
手に持ちます。
x 回目にコインを投げたとき、コインが表であれば “0” のカードより上、コインが裏であれ
ば “0” のカードより下のどこかから無作為に 1 箇所を選んで、“x” のカードをデッキに追加
します。
これは結局 x 回目に “x” のカードをデッキの x+1 箇所から無作為に 1 箇所選んで追加す
る行為を二度手間でやっているだけなので、最終的にできる 11 枚のデッキの並び順はあり
える 11! 通りの並び順が同様に確からしくなっています。
さて、コインの結果で表が k 回出る確率は、最終的にデッキで “0” が上から k+1 枚目に
ある確率です。
よって、その確率は、k の値に関わらず 1/11 です。
#令和元年12月26日当時、自分の中でも整理しきれないまま解答を書いたんで、わかり
やすく書き直したという意味では、今回また書いた価値はあったかなと思います。
Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和6年1月31日付け)
以前に知人から教わったことを、迷いましたがこのタイミングでここにぶらさげたく思います。
【ポリアの壺】
壺に濃いグレーの色の玉が a 個、薄いグレーの球が b 個入っている。
m = a+b とする。その中から玉を 1 つ無作為に取り出し、選んだ玉を壺に戻した上
で選んだ玉と同じ色の玉を 1 つ壺に加える。この試行を n 回繰り返す。n 回目に濃
いグレーの色の玉が選ばれる確率 Pn は n に依存せず、Pn = a/m で求められる。
上記を直感的に理解するために、以下の補題を考える。
【補題1】 壺に m 個の玉が入っている。玉の色は互いに相異なる。
(即ち m 色の玉が壺にある)
1 ≦ k ≦ m なる整数 k を考えておく。k 番目の玉の色を C[k] とする。
壺の中から玉を 1 つ無作為に取り出し、選んだ玉を壺に戻した上で選んだ玉と同じ色の
玉を 1 つ壺に加える。
この試行を n 回繰り返す。n 回目に C[k] の色の玉が選ばれる確率 Pn[k] は、
n や k に依存せず、Pn[k] = 1/m で求められる。
(証明) 明らか。
実際に、m 色の玉があるが、それらの色について対称な問題設定なので、……いわゆる、
同様に確からしいと。
補題1から、【ポリアの壺】の問題について考える。
宇宙人がやってきた。彼らは光の三原色を認識せず、白色、黒色、およびに白から黒まで
のグラデーションで各種の灰色を認識する。
補題1において、C[1] から C[a] の色の a 個の玉の色を宇宙人は濃いグレーの色と認識
し、C[a+1] から C[a+b] の色の b 個の玉の色を薄いグレーの色と認識する。
壺の中から玉を 1 つ無作為に取り出し、選んだ玉を壺に戻した上で選んだ玉と同じ色の玉
を 1 つ壺に加える。
この試行を n 回繰り返す。n 回目に 濃いグレーの色の玉が選ばれる確率 Pn は n に依
存せず、Pn = a/m で求められる。
(証明) 補題1を使って、
Pn=Pn[1]+Pn[2]+ ……+Pn[a]= a*(1/m) = a/m (証終)
確率についての漸化式や数学的帰納法を回避しているので、ほぼ計算なしに結論が得ら
れます。上手に説明すれば小学生にもわかるかも?
以下、工事中!