無限というものの凄さを感じさせるものに、
S1=1+1/2+1/3+1/4+・・・+1/n+・・・ は、S1→∞ であり
S2=1-1/2+1/3-1/4+1/5-・・・・・+(-1)^(n+1)*1/n+・・・ は、S2→log(2)(=0.693147・・・)
S3=1-1/3+1/5-1/7+1/9-1/11+1/13-1/15+・・・ (2と素であるものの交代級数) は、
S3→π/4(=0.785398・・・)
S4=1+1/3-1/5-1/7+1/9+1/11-1/13-1/15+1/17+1/19-1/21-1/23+・・・
=納n=1,∞]kronecker(n,8)/n
は、S4→sqrt(2)*π/4(=1.110720・・・)
S5=1-1/3-1/5+1/7+1/9-1/11-1/13+1/15+1/17-1/19-1/21+1/23+・・・
=納n=1,∞]kronecker(n,2)/n
は、S5→log(1+sqrt(2))/sqrt(2)(=0.623225・・・)
S6=1-/1/2+1/4-1/5+1/7-1/8+1/10-1/11+・・・ (3と素であるものの交代級数)
は、S6→π/(3*sqrt(3))(=0.604599・・・)
S7=1+1/2-1/4-1/5+1/7+1/8-1/10-1/11+1/13+1/14-1/16-1/17+・・・(上記の符号を変更したもの)
=納n=1,∞]kronecker(n,3)/n
は、S7→2*π/(3*sqrt(3))(=1.209199・・・)
S8=1-1/2-1/3+1/4+1/6-1/7-1/8+1/9+1/11-1/12-1/13+1/14+1/16-・・・(5と素なもので構成)
=納n=1,∞]kronecker(n,5)/n
は、S8→log((3+sqrt(5))/2)/sqrt(5)(=0.43041・・・)
S9=1-1/5+1/7-1/11+1/13-1/17+1/19-1/23+・・・(6と素であるものの交代級数)
=納n=1,∞]kronecker(n,12)/n
は、S9→π/(2*sqrt(3))(= 0.906899・・・)
S10=1 +1/2 -1/3 +1/4 -1/5 -1/6 + 1/8 +1/9 -1/10+1/11-1/12-1/13 + 1/15+1/16-1/17
+1/18-1/19-1/20+1/22+・・・ (7と素なもので構成)
=納n=1,∞]kronecker(n,7)/n
は、S10→π/sqrt(7)(=1.187410・・・)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
などなど、使う数字と符号を微妙に変えると、無限に繰り返す操作でこんなにも変化に富む
世界と通じて行くことを見つけ出したオイラーやライプニッツやディリクレなどの先人が、如
何に無限という世界の扉をこじ開けてきたのかを驚愕をもって感じられます。
*取り急ぎまとめたものなので、どこかしら例により勘違い部分があるかと思いますが、そ
の時はご指摘宜しくお願い致します。
うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和4年9月30日付け)
GAI さん、はじめまして。この構造は、バーゼル問題と同じですね。
有理数の無限和が、無理数になる。
(コメント) うんざりはちべえさんは、バーゼル問題について誤解していませんか?
有理数の無限和が有理数になる場合もあるのでは?
例えば、 1/(1・2)+1/(2・3)+1/(3・4)+・・・=1 ですよね...。
うんざりはちべえさんからのコメントです。(令和4年9月30日付け)
ああ、そうなんですか?
「バーゼル問題の初等的な証明」の最初の式だとおもっていました。ありゃ、挟み撃ちだっ
たんですか?
オイラーがどうやったかは、詳しくなると、「バーゼル問題とオイラー」に書いてありますが、
よく理解できてません。
有理数の無限和が有理数になる場合もあるのでは?
例えば、 1/(1・2)+1/(2・3)+1/(3・4)+・・・=1 ですよね...。
おかげで、有理数は四則演算で有理数で閉じていることと無限和が無理数になるという
矛盾の手がかりが見えて来ました。ありがとうございます。これで、数学に対する不信感が
幾分和らいだのです。
ks さんからのコメントです。(令和4年10月1日付け)
調和級数 Σ(1/n^s)<s/(s-1) ・・・ (*) において、s>1のとき、収束し、s=1のとき、
発散することがよく知られています。
ところが、素数の逆数和が発散するのには、びっくりです。流石に、双子素数の逆数和で
は、収束する。収束と発散の境目は、難しいですね。
GAI さんから「無限個和への挑戦」と題してご投稿いただきました。
(令和4年10月4日付け)
使う数字を、6と素であるもの {1,5,7,11,13,17,19,23,25,29,31,35,・・・} を順番に分母に使って
いき(分子は常に1)、繋いでいく符号を
(1) +,-,+,-,+,-,・・・と交互にしていく。即ち
S1=1/1-1/5+1/7-1/11+1/13-1/17+・・・・・
(2) +,+,+,+,-,-,-,-,+,+,+,+,・・・と4個ずつで交互にしていく。即ち
S2=1/1+1/5+1/7+1/11-1/13-1/17-1/19-1/23+1/25+・・・・・
(3) +,+,-,-,+,+,-,-,・・・と2個ずつで交互にしていく。即ち
S3=1/1+1/5-1/7-1/11+1/13+1/17-1/19-1/23+・・・・・
(4) +,-,-,+,+,-,-,+,+,-,-,+,・・・と4個のパターンを繰り返していく。即ち
S4=1/1-1/5-1/7+1/11+1/13-1/17-1/19+1/23+1/29-・・・・・
さて、こうして集めて行くとき、各和S1、S2、S3、S4 は如何なる値になるものか?明示式
で表して下さい。
らすかるさんからのコメントです。(令和4年10月4日付け)
S1 = π/(2√3) 、S2 = π/√6 、S3 = π/3 、S4 = log(2+√3)/√3 かな?
(コメント) 「A007310」によれば、次のことが知られているそうです。
1 + 1/5^2 + 1/7^2 + 1/11^2 + ... = π^2/9 [Jolley]. - Gary W. Adamson,
Dec 20 2006
1 + 1/5 - 1/7 - 1/11 + + - - ... = π/3 = A019670 [Jolley eq (315)].
- Jaume Oliver Lafont, Oct 23 2009
1 - 1/5 + 1/7 - 1/11 + - ... = π/6 = A093766 (L. Euler).
- Philippe Deleham, Mar 09 2013
1 - 1/5^3 + 1/7^3 - 1/11^3 + - ... = π^3/54 (L. Euler).
- Philippe Deleham, Mar 09 2013
したがって、らすかるさんの S1 と S3 は正解かな...。
GAI さんからのコメントです。(令和4年10月4日付け)
全て正解です。
(4)は、asinh(√3)/√3 (asinh(x)はハイパボリックアークサイン)の式でも可です。
ks さんからのコメントです。(令和4年10月5日付け)
調和数列が発散することから、等差数列の逆数和も発散する。公差がいくつでも、間が空
いても、発散する。
GAI さんからのコメントです。(令和4年10月5日付け)
等差数列の逆数和も発散するが、符号を交互にした交代級数にすると収束できます。
初項を1、公差をdにすると、
d=1; T1=1-1/2+1/3-1/4+1/5-1/6+・・・・・=log(2)
d=2; T2=1-1/3+1/5-1/7+1/9-1/11+・・・・・=π/4
d=3; T3=1-1/4+1/7-1/10+1/13-1/16+・・・・・=(π+√3*log(2))/(3*√3)
d=4; T4=1-1/5+1/9-1/13+1/17-1/21+・・・・・=√2/8*(π+2*log(1+√2))
d=5; T5=1-1/6+1/11-1/16+1/21-1/26+・・・・・=(2*log(2)+√(2+2/√5)*π+√5*log((3+√5)/2))/10
d=6; T6=1-1/7+1/13+1/19-1/25+1/31-1/37+・・・・・=0.9037717737487720468・・・・・
d=7; T7=0.91547952683・・・・・
d=8; T8=0.92465170577・・・・・
d=9; T9= 0.93203042415・・・・・
(コメント) ライプニッツによって発見された次の定理が知られている。
ライプニッツの法則
交代級数において、項の絶対値がしだいに減少し、しかも0に収束するならば、その
級数は収束する
この法則があれば、収束・発散は一目瞭然ですね!
らすかるさんからのコメントです。(令和4年10月5日付け)
T6=(π+(√3)log(2+√3))/6 、
T8=(√(4+2√2)π+√(2-√2)log(7-4√2+2√(20-14√2))+√(2+√2)log(7+4√2+2√(20+14√2)))/16
と書けますね。
GAI さんからのコメントです。(令和4年10月5日付け)
どうしてT7を飛ばしてT8(これも結構複雑)を出されたのだろうと、何気にT7へ挑戦してい
たら、たっぷりと時間をとられて、
T7=1/7*(log(2)-2*sin(π/14)*log(2*sin(3*π/14))-2*cos(π/7)*log(2*sin(π/14))
+2*sin(3*π/14)*log(2*cos(π/7)))+π/28*(tan(π/14)+1/tan(π/14))
なる決して美しくはない式でした。
なるべく統一して、t=sin(π/14) と置いて、
T7=1/7*(log(2)-2*t*log(2*(3*t-4*t^3))-2*(1-2*t^2)*log(2*t)
+2*(3*t-4*t^3)*log(2*(1-2*t^2)))+π/(28*t*sqrt(1-t^2))
で、少しはショートに。
らすかるさんからのコメントです。(令和4年10月5日付け)
T7の式をこねくり回して何とかきれいな形にしたところ、T3、T5、T7、T9 は同じ形で書け
ることがわかりました。
T3=(2/3){π/(4sin(π/3))
-cos(π/3)log(sin(π/6))}
T5=(2/5){π/(4sin(π/5))
-cos(π/5)log(sin(π/10))
-cos(3π/5)log(sin(3π/10))}
T7=(2/7){π/(4sin(π/7))
-cos(π/7)log(sin(π/14))
-cos(3π/7)log(sin(3π/14))
-cos(5π/7)log(sin(5π/14))}
T9=(2/9){π/(4sin(π/9))
-cos(π/9)log(sin(π/18))
-cos(3π/9)log(sin(3π/18))
-cos(5π/9)log(sin(5π/18))
-cos(7π/9)log(sin(7π/18))}
n=2m+1(m≧1)のとき、
Tn=(2/n){π/(4sin(π/n))-Σ[k=1〜m]cos((2k-1)π/n)log(sin((2k-1)π/(2n)))
が成り立ちそうですね。
偶数のときも、
T2=(2/2){π/(4sin(π/2))
-cos(π/2)log(sin(π/4))}
T4=(2/4){π/(4sin(π/4))
-cos(π/4)log(sin(π/8))
-cos(3π/4)log(sin(3π/8))}
T6=(2/6){π/(4sin(π/6))
-cos(π/6)log(sin(π/12))
-cos(3π/6)log(sin(3π/12))
-cos(5π/6)log(sin(5π/12))}
T8=(2/8){π/(4sin(π/8))
-cos(π/8)log(sin(π/16))
-cos(3π/8)log(sin(3π/16))
-cos(5π/8)log(sin(5π/16))
-cos(7π/8)log(sin(7π/16))}
のように書けるようです。
偶奇合わせて、
Tn=(2/n){π/(4sin(π/n))-Σ[k=1〜[n/2]]cos((2k-1)π/n)log(sin((2k-1)π/(2n)))
でOKでした。(奇数の式のΣの終値のmを[n/2]に変えただけです)
GAI さんからのコメントです。(令和4年10月6日付け)
昔、この極限値はガンマ関数(gamma(x))を真数にとった対数(log(gamma(x)))の導関数を
とったd(log(gamma(x))/dxをpsi(x)関数と表示し、psi(x)=gamma'(x)/gamma(x) の性質を利用
することで、この公差d(初項は1)の等差数列の逆数での交代級数の極限和T(d)が
T(d)=(psi((d+1)/(2*d))-psi(1/(2*d)))/(2*d)
で算出できるところから、数値を算出していました。
今回、らすかるさんの式
T(n)=(2/n)*(Pi/(4*sin(Pi/n))-sum(k=1,floor(n/2),cos((2*k-1)*Pi/n)*log(sin((2*k-1)*Pi/(2*n)))))
で2つの数量を見較べましたら、ピタリ2つは一致しました。(n=1は除外)
また、以前こんな計算をしていて不思議に思ったことに、
zeta(3) =1+1/2^3+1/3^3+1/4^3+1/5^3+・・・
3/4*zeta(3)=1-1/2^3+1/3^3-1/4^3+1/5^3-・・・
には円周率が現れないのに、(zeta(5)にも)
1-1/3^3+1/5^3-1/7^3+1/9^3-1/11^3+・・・=π^3/32
上の応用で、(psi''(3/4)-psi''(1/4))/128 より計算可能(「'」記号は微分)
1-1/3^5+1/5^5-1/7^5+1/9^5-1/11^5+・・・=5*π^5/1536
(psi''''(3/4)-psi''''(1/4))/24576 より計算可能
と公差2で交代級数をとれば円周率が姿を現す。(他の公差dでは現れない。)
ディリクレ指標[1,-1,0]のL関数でも、
1-1/2^3+1/4^3-1/5^3+1/7^3-1/8^3+1/10^3-1/11^3+・・・=4*π^3/(81*sqrt(3))
1-1/2^5+1/4^5-1/5^5+1/7^5-1/8^5+1/10^5-1/11^5+・・・=4*π^5/(729*sqrt(3))
やはり円周率が顔をのぞかせる。
たとえ交代級数的でもなく、+符号だけの等差数列数のものでも
1/3^3+1/7^3+1/11^3+1/15^3+・・・+1/(4*n-1)^3+・・・=7/16*zeta(3)-π^3/64
と、やはり、円周率が顔をのぞかせる。ほんんとに無限は不思議です。
ks さんからのコメントです。(令和4年10月6日付け)
無限級数で、Σ1/N (数字の0の表示された数を除く) が、収束することが知られていま
す。収束値が20くらいだったようですが、御存知の方よろしくお願いします。他の数字を除
いた場合も調べています。
らすかるさんからのコメントです。(令和4年10月6日付け)
0を除く oeis.org/A082839
23.103447909420541616034054043325598138302800005282141886723094772…
1を除く oeis.org/A082830
16.176969528123444266579603880364009305567219790763133864516906490…
2を除く oeis.org/A082831
19.257356532808072224532776770194454115526053831154870149868362949…
3を除く oeis.org/A082832
20.569877950961230371075217419053111414153869674730783489508528500…
4を除く oeis.org/A082833
21.327465799590036686639401486939512843750951703270021817251189541…
5を除く oeis.org/A082834
21.834600812296918163407235040609182717846567515013918291679359184…
6を除く oeis.org/A082835
22.205598159556091884167380480007527105193856106668463270276938233…
7を除く oeis.org/A082836
22.493475311705945398176226915339775974005915541672512361791460444…
8を除く oeis.org/A082837
22.726365402679370602833644156742557889210702616360219843536376162…
9を除く oeis.org/A082838
22.920676619264150348163657094375931914944762436998481568541998356…
(→ 参考:「調和級数」)
ks さんからのコメントです。(令和4年10月7日付け)
らすかるさん、いつも、ありがとうございます。以前にも、同様の内容がありましたが、0の
数字を除いた極限値が一番大きくて、1の数字を除いた極限値が一番小さい。
極限値の比較は、容易に示せたりしますか?曖昧な質問ですが、知りたいです。
今、数字1のみで表される(1,11,111,…)の逆数和をSとして、数字2のみで表される
(2,22,222,…)の極限値は(1/2)S。多分、収束するとしてですが、調査中です。
らすかるさんからのコメントです。(令和4年10月7日付け)
1+1/11+1/111+… の極限値は、「A065444」にあります。これが収束することは、
1+1/11+1/111+…<1+1/10+1/100+…=10/9 から言えますね。
1/2+1/22+1/222+… の極限値は上記の半分です。
ks さんからのコメントです。(令和4年10月7日付け)
らすかるさん、早速ありがとうございます。
1/9=1/10+1/100+…<1/(10-1)+1/(100-1)+…=1/9+1/99+1/999+…
=1/9(1+1/11+1/111+…)=s/9 より、 1<s まで。
らすかるさんからのコメントです。(令和4年10月8日付け)
s=1+1/11+1/111+… なので、s>1は自明ですが、上記の意図は何でしょうか?
ところで、1,1/11,1/111,… の各項を1/9倍した 1/9,1/99,1/999,… の小数を並べて書くと、
0.11111111111111111111…
0.01010101010101010101…
0.00100100100100100100…
0.00010001000100010001…
0.00001000010000100001…
これを縦に足すと、
小数第1位は 1の(正の)約数の個数
小数第2位は 2の約数の個数
小数第3位は 3の約数の個数
小数第4位は 4の約数の個数
小数第5位は 5の約数の個数
小数第6位は 6の約数の個数
・・・
のようになり、1,2,3,… の約数の個数は、 1,2,2,4,2,4,2,4,3,4,2,6,2,4,4,5,2,6,2,6,… ですから、
0.12242424342624452626…
を9倍すれば、1+1/11+1/111+… の収束値になりますね。
(ただし約数の個数が10以上のときは上の桁に繰り上げる)
以下、工事中!