・正四面体の切断                        S.H 氏

 正四面体を平面で切断するとき、その切り口には、いろいろな図形が出現する。

 例えば、 三角形・二等辺三角形・正三角形・四角形・台形・長方形・正方形など。

しかし、どのような平面を準備しても決して現れることのない図形も存在する。

 例えば、 直角三角形・直角二等辺三角形・一般の平行四辺形・一般のひし形など。

 これらの図形が、どのような場合に出来て、どのような場合に出来ないのかをイメージす
ることは楽しい。


 Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和4年7月7日付け)

 遠い昔の記憶を掘り起こしまして、次のような立体パズルがあったはずと朧気ながらに思
い出しました。

・正四面体を3つのピースで組み立てます。
・各ピースの体積は正四面体の体積の1/3です。
・3つのピースは互いに合同です。
・ピースは凹多面体です。
・ピースは面対称な立体です。(鏡像と合同)

※凸多面体ならば容易に想像できますが、凹多面体なのです。

 実際に売られていた立体パズルでは、これらの3つのピースがひとつの小さな素朴なビニ
ール袋に封入されていて、全部を使って正四面体をつくれますかと煽るタイプだったような気
がします。買いませんでした、すみません。


 Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和4年7月13日付け)

 当該のパズルが復刻されていました。《売り切れとのこと》 (→ 「パズラボwebShop」)


(追記) 令和4年8月8日付け

 正四面体を、一つのある辺を含み、それとねじれの位置にある辺の中点を通る平面で切
断するとき、その切り口は、2等辺三角形となる。

     

 いくつか基本的な計量を計算してみよう。

 BM=(/2)a で、Gは△BCDの重心である。BG : GM=2 : 1 なので、

 BG=(/2)a×(2/3)=(/3)a 、GM=(/6)a

 よって、 cosθ=1/3 、cosφ=1/ となる。

このとき、 sinθ=2/3 、 sinφ=/3 で、 AG=(/3)a

 また、△ABMの面積は、 (/2)a×(/3)a×(1/2)=(/4)a2


(コメント) 上図のθは、2面角で、いろいろな計算で頻出する角である。


 次に、正四面体を平面で切断するとき、その切り口が正方形の場合について考えてみよう。

 正四面体ABCDにおいて、ねじれの位置にある2辺、例えば、AC、BDを残して、残り4辺
の中点P、Q、R、Sを通る平面を考えれば、ちょうど正四面体の切り口は正方形PQRSとな
る。
    

 中点連結定理より、四角形PQRSが4辺の長さが等しい平行四辺形、即ち、ひし形となる
ことは明らかだろう。

 ひし形では、当然、次の性質が成り立つ。

1.線分PR⊥線分QS である。

 対角線PR、QSの交点をOとすると、△PQO≡△PSO から、PR⊥QS が成り立つこと
は容易に分かるだろう。

 ベクトルを用いて、次のように証明してもいいだろう。

(証明) AB=2AC=2AD=2 とおくと、

  AP 、AQ 、AR 、AS

 よって、 PR 、QS となるので、

 PR・QS=()・()=|2−|2=0

 したがって、 PR⊥QS が成り立つ。  (終)


 さらに、このひし形PQRSは次のような性質を持つことが分かる。

2.∠QPS=90° である。(→ この結果より、ひし形PQRSは、正方形と言える。)

(証) PQ 、PS より、 PQ・PS・()==0

 したがって、 ∠QPS=90° が成り立つ。  (終)


 一つの正四面体に対して、このような正方形は、3つ出来る。


(追記) 令和4年8月5日付け

 正四面体のある平面による切り口が正方形と聞くと、昔懐かしいチマキを思い出す。

    

 丁度、正四面体のねじれの位置にある2辺を除いた4辺の中点を通るように紐で結んで
あったように思う。


 同様にして、正八面体をある平面で切断するとき、その切り口が正六角形になる場合が
あり、そのような正六角形は全部で4通りある。下図と是非睨めっこして堪能してみてくだ
さい。
   

 上記の正四面体内の正方形の存在から、正八面体を構成出来ることに気づく。

   

 正方形の構成で用いなかった正四面体の2辺AC、BDの中点をそれぞれM、Nとする。

 正四面体から、小正四面体APMS、CQRM、BPQN、DSRNを切り取ると、正八面体が
得られる。

 1辺の長さが a の正四面体の体積は、(/12)a3 なので、1辺の長さが a/2 の正八
面体の体積は、
           (/12)a3−(/12)(a/2)3×4=(/24)a3

となる。すなわち、1辺の長さが a の正八面体の体積は、

  (/24)(2a)3=(/3)a3

となる。(→ 参考:「正多面体が5種類しかない理由」)

 このことから、1辺の長さが等しい場合の正四面体と正八面体の体積比は、

  (/12)a3 : (/3)a31 : 4

となる。この比は次のようにしても分かる。

 正四面体から切り取る小正四面体の体積は、元の正四面体の1/8である。したがって、

中の正八面体の体積は、元の正四面体の 1−(1/8)×4=1/2 である。正四面体と正

八面体の1辺の長さが等しいとするならば、 (1/2)×23=4 となるので、正四面体と正

八面体の体積比は、 1 : 4 であると言える。


(追記) 令和4年8月4日付け

 上記で調べたように、一つの正四面体から、4つの小正四面体を切り取れば、正八面体が
構成できる。この知識があれば、逆に、正八面体の一つの面に正四面体が滑らかに接続で
きることは明らかだろう。

 しかし、この知識がなければ、「正八面体の一つの面に正四面体が滑らかに接続できるか」
という疑問が起こるのは自然なことだろう。一般には自信がないのが普通だろう。

 空間把握がしっかりしていないと、正八面体の面と正四面体の面が一体となって一つの面
を作るという保証が全くないことに気づかされる。

 このことを計量的に示すには、次のように行えばよい。

  

 正八面体の上側の部分A-BCDEに対して、面ABCに正四面体OABCを貼り付けること
を考える。1辺の長さは2とする。

 このとき、辺ABの中点Mに対して、 MC=ME=、CE=2 なので、

 cos∠CME=(3+3−8)/6=−1/3 である。

 これに対して、 MC=MO=、OC=2 なので、

 cos∠OMC=(3+3−4)/6=1/3 である。

 よって、sin∠CME=2/3、sin∠OMC=2/3 なので、加法定理より、

cos(∠OMC+∠CME)=(1/3)(−1/3)−(2/3)(2/3)=−1/9−8/9=−1

なので、 ∠OMC+∠CME=π すなわち、3点 O、M、E は1直線上にある。

 このことから、 △AEBの面と△OABの面は、同一平面上にあることが分かる。

 上記のような計算をしなくても、次のように考えれば自明だろう。

   

 正八面体を横に並べると、 OA=OB=OCAB=BC=CA=2 なので、三角錐O-ABC
は正四面体である。

 明らかに、△AEBの面と△OABの面は、同一平面上にあることが分かる。


(追記) 令和4年7月6日付け

 次の正四面体をある平面で切断した立体の体積の計算は、ありふれた問題だろう。

問 題  1辺の長さが3の正四面体ABCDにおいて、下図のように辺上に4点P、Q、R、
     Sをとる。4点P、Q、R、Sを通る平面で正四面体ABCDを切断するとき、2つの立
     体に分かれる。
        

 このとき、頂点Aを含む方の立体の体積を求めよ。


(解) 求める立体は、四角錐APQRS+三角錐AQCRである。辺BD、ACの中点をそれぞ
   れM、Nとおく。線分MNと長方形PQRSの交点をLとおく。

        

 まず、長方形PQRSの面積は、 1×2=2

 四角錐APQRSの高さは、 (2/3)√{(3/2)2−(3/2)2}=

よって、 四角錐APQRSの体積は、 2×÷3=(2/3)

 また、△QCR=(/4)・22 で、三角錐AQCRの高さは、√{322}=

なので、 三角錐AQCRの体積は、 ×÷3=

 したがって、求める体積は、 (2/3)=(5/3)  (終)


(追記) 令和4年7月7日付け

 上図において、正四面体に平面が交わり、辺AB、BC、CD、DAとの交点P、Q、R、Sに
ついて、

  (AP/PB)(BQ/QC)(CR/RD)(DS/SA)=(2/1)(1/2)(2/1)(1/2)=1

が成り立つ。上図は特別な場合(長方形PQRSと辺ACが平行)であったが、一般の場合に
も実は、

   (AP/PB)(BQ/QC)(CR/RD)(DS/SA)=1

は成り立つ。この公式に関連する問題が、慶應義塾中等部の入試問題(2012)で出題さ
れている。次の問題は改題です。

問 題  1辺の長さが5の正四面体ABCDがある。辺AB、CD、DA上に点P、R、Sがあり、
     AP=4、CR=1、DS=3で、この正四面体を3点P、R、Sを通る平面で切る切断面
     がBC上の点Qで交わるとき、BQの長さを求めよ。

       

(解) BQ=x とおくと、

  (AP/PB)(BQ/QC)(CR/RD)(DS/SA)=(4/1)(x/(5−x))(1/4)(3/2)=1

より、 3x=10−2x なので、 5x=10 すなわち、 x=2  (終)


 上記では、公式を用いて解いてしまったが、次のように地道に解くことも可能である。

(別解) 下図のように、直線SP、DB、RQの交点をTとおく。△ABD上で、Sより辺DBに

 平行線を引き、辺ABとの交点をUとおく。同様に△BCD上でRより辺BCに平行線を引き、

辺BDとの交点をVとおく。
       

 このとき、SU=2 で、△PSU∽△PTB より、 TB : SU=1 : 2 なので、 TB=1

また、RV=4 で、△TQB∽△TRV より、 TB : TV=BQ : RV なので、

 BQ : RV=1 : 2

よって、 BQ=2  (終)


(追記) 令和4年7月8日付け

 次の公式を証明しよう。

(公式) 下図のように正四面体ABCDと平面αが交わる。辺AB、BC、CD、DAと
     の交点をそれぞれP、Q、R、Sとすると、

       (AP/PB)(BQ/QC)(CR/RD)(DS/SA)=1

   が成り立つ。

       

#中学受験では、覚えておいて損はしない公式だろう。検算にも使えますね!
 正四面体の頂点をグルリと(分子)、(分母)、(分子)、(分母)、・・・と唱えながら一周する
 と覚えれば忘れないと思います。チェバの定理やメネラウスの定理と同じ覚え方です。


(証明)  下図のように、直線SP、DB、RQの交点をTとおく。

       

 △ABDにおいて、メネラウスの定理より、 (AP/PB)(BT/TD)(DS/SA)=1

 △BCDにおいて、メネラウスの定理より、 (BQ/QC)(CR/RD)(TD/BT)=1

2式を辺々掛けて、 (AP/PB)(BQ/QC)(CR/RD)(DS/SA)=1 が成り立つ。  (終)


 下図のように、正四面体ABCDを底面BCDに平行な平面で切断するとき、

        

 体積比は、相似比の3乗に比例するので、

    正四面体APQ : 正四面体ABC=m3 : (m+n)3

が成り立つ。

問題  下図のように、正四面体ABCDにおいて、3辺AB、AC、ADを3等分する点をP1
    P2、Q1、Q2、R1、R2とする。

      

 このとき、 正四面体AP111:三角錐台P111222:三角錐台P222BCD
の値を求めよ。

(解) 体積比は、相似比の3乗に比例するので、

  正四面体AP111 : 正四面体AP222 : 正四面体ABCD=1 : 8 : 27

よって、

正四面体AP111:三角錐台P111222:三角錐台P222BCD=1 : 7 : 19

である。  (終)


(追記) 令和4年7月9日付け

 正四面体の底面に平行な平面で切断するときは、相似の公式が使えて簡便に求められる
が、一般の場合はどうだろうか?次の問題を考えてみよう。

問 題  1辺の長さが6の正四面体ABCDがある。辺AB上にAP=3となる点Pをとり、辺
     AC上にAQ=4となる点Qをとり、辺AD上にAR=2となる点Rをとる。

         

 このとき、四面体APQRと正四面体ABCDの体積比を求めよ。

(解)
         

 上図において、 正四面体CABD : 四面体CAPD=2 : 1

    四面体CAPD : 四面体CAPR=3 : 1

    四面体CAPR : 四面体QAPR=3 : 2

なので、

四面体QAPR=(2/3)四面体CAPR=(2/3)(1/3)四面体CAPD

         =(2/3)(1/3)(1/2)正四面体CABD

すなわち、 四面体APQR=(1/9)正四面体ABCD より、

  四面体APQR : 正四面体ABCD=1 : 9  (終)


 一般に、次の公式が成り立つ。証明は、上記の解と同様にすればよい。


(公式) 下図のように正四面体ABCDの3辺上に3点P、Q、Rをとる。
     0<b、c、d<1に対して、AP=b・AB、AQ=c・AC、AR=d・AD とする。

         

このとき、 四面体APQR : 正四面体ABCD=bcd : 1 が成り立つ。



 この公式を用いれば、上記の問題

問題  下図のように、正四面体ABCDにおいて、3辺AB、AC、ADを3等分する点をP1
    P2、Q1、Q2、R1、R2とする。

      

このとき、 正四面体AP111 : 正四面体AP222 : 正四面体ABCD の値を求めよ。


に対しても、次のように解いてもいいだろう。

(解) 公式より、

  正四面体AP111 : 正四面体AP222 : 正四面体ABCD

 =(1/3)3 : (2/3)3 : 1=1/27 : 8/27 : 1=1 : 8 : 27  (終)


(追記) 令和4年7月11日付け

 次の問題は、福島県公立高校入試(2019)で出題されたものである。超難問という噂で、
正答率がほとんど0%だったとか...。問題は、若干改題しました。

問題  1辺の長さが6の正四面体OABCがある。辺BCの中点をMとし、辺OCを 1 : 2
    に内分する点をDとおく。辺OB上に点Eを、AE+EDが最小となるようにとる。

  線分OMとDEの交点をPとする。線分AMを 8 : 7 に内分する点をQとし、平面AEDと
 直線OQの交点をRとおく。

    

 このとき、三角錐RQBCの体積は、正四面体OABCの体積の何倍であるか?

(解) まず、OP : PM を求める。

  

 上図において、辺OBの中点をNとし、直線MNと線分ADの交点をLとおく。

 このとき、 △OED∽△BEA なので、 OE : EB=1 : 3

よって、 OE=6×(1/4)=3/2 、EB=6−3/2=9/2 で、NB=3 より、EN=3/2

 このとき、 OE : EN=1 : 1 から、 △OED≡△NEL より、 LN=2 となる。

 中点連結定理より、 NM=3 なので、 LM=5 となる。

 △OPD∽△MPL なので、 OP : PM=OD : LM=2 : 5

 次に、平面OAMにおいて、点Pより線分AMに平行線を引き、線分OQとの交点をSとおく。

   

 △OSP∽△OQM なので、 OS : OQ=OP : OM=2 : 7

 このとき、 △SPR∽△QAR なので、 SR : RQ=SP : QA=2 : 8=1 : 4

 以上から、 OR : OQ=3 : 7 より、 RQ=(4/7)OQ となる。

 よって、 (三角錐OQBCの体積)=(7/15)×(正四面体OABCの体積)

      (三角錐RQBCの体積)=(4/7)×(三角錐OQBCの体積)

より、 (三角錐RQBCの体積)=(4/15)×(正四面体OABCの体積) なので、

  三角錐RQBCの体積は、正四面体OABCの体積の4/15倍である。  (終)


(コメント) 四面体OABCの体積は、 (/12)×63=18 なので、

     三角錐RQBCの体積は、 18×(4/15)=(24/5) となる。


(追記) 令和4年7月13日付け

 一般の四面体OABCにおいて、その重心Gは、底面の△ABCの重心Hと頂点Oを結ぶ
線分OHを 3 : 1 に内分する点で定められるが、ねじれの位置にある辺同士の中点を結
ぶ線分の交点(互いの中点で交わる)としても定められる。(下図参照)

   

 このことは、

 OG=(OA0BOC)/4

    =((1/2)OA+(0BOC)/2)/2

    =((OA0B)/2+(1/2)OC)/2

    =・・・

等から分かるだろう。

 そこで、1辺の長さが a の正四面体OABCにおいて、ねじれの位置にある辺同士の中点
を結ぶ線分の長さを求めることを次に考えよう。

   

(解) 2点A、Nを結び、直角三角形ANMを考える。

   

 このとき、 AM=a/2 、 AN=(/2)a から、三平方の定理より、

  MN2=(/2)22−a2/4=a2/2

 よって、 MN=(/2)a となる。  (終)

 ここで留意すべき点は、 MN<a が成り立つということだろう。MNの長さは、正四面体
の1辺の長さよりも短いという点が面白い。


(追記) 令和4年7月14日付け

 ねじれの位置にある2直線OAとBCについて、MNは最短の距離を与える。

 最短であることから、 OA⊥MN 、BC⊥MN が成り立つ。

 いま、線分OAを t : 1-t に内分する点をP、線分BCを s : 1-s に内分する点をQとする
と、
   OP=tOA 、 OQ=(1-s)OB+sOC より、 PQ=(1-s)OB+sOC−tOA

 PQが最短の距離を与えるとき、 OA⊥PQ 、BC⊥PQ なので、

  ((1-s)OB+sOC−tOA)・OA={(1-s)/2+s/2−t}a2=0 より、 t=1/2

  ((1-s)OB+sOC−tOA)・(OCOB
 =(1-s)/2−(1-s)+s−s/2−t/2+t/2)a2=0 より、 s=1/2

 よって、確かに最短の距離を与える2点は、M、Nであることが分かる。

 若干、Mの位置をずらした問題を考えよう。

問 題  1辺の長さが4の正四面体OABCにおいて、辺OAを 3 : 1 に内分する点をP、
     辺BCの中点をNとする。

     

 このとき、線分PNの長さを求めよ。

(解) 直角三角形PBNを考える。(以下の解答は、MNを求める問題の別解となる。)

     

 余弦定理より、 PB2=12+42−2・1・4・cos60°=13 なので、

 PN2=13−4=9 より、 PN=3  (終)


(コメント) 上記の問題設定で、△OPNが2等辺三角形になる点に興味が引かれた。

       

 均整のとれた2等辺三角形ですね!


(追記) 令和4年7月15日付け

(公式) 1辺の長さが a の正四面体OABCにおいて、ねじれの位置にある辺同士の
    中点M、Nを結ぶ線分の長さMNは、MN=(/2)a で与えられる。


   

 この公式を用いれば、MNの長さが任意に与えられたとき、正四面体の1辺の長さを瞬時
に求めることが出来る。公式として知っていれば、便利かも...!

例 MN=4のとき、正四面体の1辺の長さは、4 である。

 このMNに関する問題をもう1題あげておこう。

問 題  1辺の長さが a の正四面体OABCにおいて、ねじれの位置にある辺OA、BCの
     中点をそれぞれM、Nとおく。また、辺ABの中点をLとおく。

   

 このとき、∠LNMの大きさ(=θ)を求めよ。

(解) △LNMは、LN=LM=a/2 、MN=(/2)a の2等辺三角形である。

 よって、 cosθ=(/4)a÷(a/2)=1/ より、 θ=45° となる。  (終)


(コメント) 上記の計算結果から、∠MLN=90° となり、△LNMは、直角2等辺三角形
      になるんですね!これは美しい...。でも、このことは当たり前ですね。なぜなら
      ば、3点L、M、Nを通る平面で正四面体を切断するとき、その切り口は正方形な
      んだもの...。


(追記) 令和4年7月16日付け

 立体図形の問題で、「そんな風に考えるんだ...。」という問題を紹介しよう。問題解法の
視点として身につけた方がよい考え方だと思う。

 次は、豊島岡学園中学の入試問題(2022)である。問題は若干改題しました。

問 題  1辺の長さが6の正四面体2つを上下に重ねた立体図形O-ABC-O’がある。
     OA、O’Bを 1 : 2 に内分する点をそれぞれP、Qとおく。辺ABの中点をMとし、
     線分CMと線分PQの交点をRとおく。

      

 このとき、MR : RC を求めよ。

(解) O、O’より平面ABCに垂線を下ろし、その足をGとおくと、Gは△ABCの重心である。

 同様に、P、Qより平面ABCに垂線を下ろし、その足をそれぞれP’、Q’とおく。

     

 このとき、 MC=(/2)×6=3 で、 MG=3×(1/3)=

 MR : RG=AP’ : P’G=2 : 1 なので、 MR=(2/3)MG=(2/3)

 また、 RC=3−(2/3)=(7/3) なので、 MR : RC=2 : 7  (終)


(追記) 令和4年8月7日付け

 下図のように、1辺の長さが2の正三角形ABCの外側に、1辺の長さが2の正三角形を貼
り付ける。その頂点を結ぶ三角形PQRは、明らかに、1辺の長さが4の正三角形となる。

      

 この話題を正四面体の場合に考えよう。

 1辺の長さが2の正四面体OABCの外側に、1辺の長さが2の正四面体を貼り付ける。
その頂点を結ぶ三角錐は、明らかに、正四面体である。

 この正四面体の1辺の長さは、いくらになるのだろうか?

 正四面体OABCにおいて、辺OAの中点Mを通り、辺BCを含む平面で切断する。その切
断面は、下図のようになる。

   

 上図において、Nは辺BCの中点、G、G’はそれぞれ△OAB、△OACの重心で、直線PG
と直線PG’の交点をSとおく。Sは線分MN上の点である。

 θは、正四面体の隣り合う面のなす角で、cosθ=1/3 である。

 MG=MG’=/3 なので、余弦定理より、

 GG’2=(/3)2+(/3)2−2・(/3)2cosθ=4/9 から、 GG’=2/3

 GS=G’S=x とおいて、∠GSG’=π−θ から、余弦定理より、

 x2+x2−2x2・cos(π−θ)=(2/3)2 すなわち、 (8/3)x2=4/9

 よって、 x=1/ となるので、 PS=QS=(2/3)+(1/6)=(5/6)

 以上から、余弦定理より、

 PQ2=((5/6)2+((5/6)2−2・((5/6)2cos(π−θ)=100/9

すなわち、求める正四面体の1辺の長さは、 PQ=10/3 である。

(参考図) 立体を上から見た図

       


(コメント) MG=/3 、 GS=1/ より、三平方の定理より、 MS=/2

 ここで、 MN= なので、ちょうど Sは線分MNの中点であることが分かる。



  以下、工事中!


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