{1,2,3,4}からなる全順列は、4!=24(通り)でき、例えば、順列 3214 なら、
[3214]=>[1234]
[1234] [3214]
の様に、上の配列をソートし直すと、つられて下段が[3214]と並び変えられ(これを逆と呼ぶ)
最初の順列 3214 が再び 3214 に対応して全く同じ姿となる。
これに対し、順列 4312 なら、
[4312]=>[1234]
[1234] [3421]
であり、最初の順列 4312 は 3421 となりその姿は変化する。
この様に元の順列とその逆が全く同型であるものを対合(たいごう、ついごう、involution)と呼
ぶと、次のものが対合になる。
1234、2134、3214、4231、1324、1432、1243、2143、3412、4321
以上の10個が対合の性質をもつ。
これ位だと手作業でも可能で、プログラム的に探し出すことは、{1,2,・・・,10}までは何とかで
きますが、これを越えてしまうと、とてもコンピューターでも無理になります。
そこで、{1,2,・・・,20}から作られる全順列 20!=2432902008176640000(通り)に、果たして何
個の対合が存在しているかを挑戦してほしい。
らすかるさんからのコメントです。(令和3年5月27日付け)
手作業で・・・漸化式を立てると、
a[1]=1, a[2]=2, a[n+2]=a[n+1]+(n+1)a[n]
となるので、a[1]、a[2]、a[3]、…、a[20] は、
1、2、4、10、26、76、232、764,2620、9496,35696、140152、568504、2390480、10349536、
46206736、211799312、997313824、4809701440、23758664096 (→ 参考:「A000085」)
となり、a[20]=23758664096(通り) で、どうでしょう?
GAI さんからのコメントです。(令和3年5月27日付け)
お見事です。実は、この数列が、「A000085」と一致し、ヤングタブロー板数とある。
(注) ヤング図形のマス目に次の約束で1〜nの数を書き込んだものは、ヤングタブロー板
(ヤング盤)と言われる。
・各行で、数は左から右に増加する。
・各列で、数は上から下に増加する。
例えば、n=4であった場合の10通りが4コマのタブロー板に対応する。
即ち、
[1][2][3][4] | ・・・ | 1通り | |||||
[1][2][3] [4] |
[1][2][4] [3] |
[1][3][4] [2] |
・・・ | 3通り | |||
[1][2] [3] [4] |
[1][3] [2] [4] |
[1][4] [2] [3] |
・・・ | 3通り | |||
[1][2] [3][4] |
[1][3] [2][4] |
・・・ | 2通り | ||||
[1] [2] [3] [4] |
・・・ | 1通り |
計 1+3+3+2+1=10通り で対合の数と形成可能なタブロー板が一致する。
この全く異なる2つのものが強く結びついていることは決して自明ではないと思われます。
どうしてこの2つは結びつくんだろう?
しかもタブロー板での形ごとの可能数の平方和は、
1^2+3^2+3^2+2^2+1^2=1+9+9+4+1=24=4!
となり、全部の順列の総数を与える。(→ 参考:「対称式の真実」)