・神奈川県高校入試                       S.H 氏

 令和3年2月15日(月)に行われた神奈川県公立高校入試の問題が翌日の新聞朝刊に
掲載された。数学の問題から、興味を引いた問題をいくつか解いてみた。問題が長文なの
で、要点だけを記することにする。

問5 3つの箱P、Q、Rがあり、Pには「1」、「2」、「4」のカード、Qには「3」、「5」、「6」のカ
   ードが入っていて、Rには何も入っていない。

 大小2つのさいころを投げ、大小のさいころの目の数をそれぞれa、bとする。

 出た目の数によって次の操作を行う。

【操作1】 カードに書かれた数の合計がaとなるように箱Pから1〜2枚のカードを箱Qに移す。

【操作2】 箱Qに入っているカードから、bの約数となるカードを全て取り、箱Rに移す。

(ア) 箱Rに入っているカードが4枚となる確率を求めよ。

  (解) 題意より、a=3、b=6 の場合のみなので、確率は、1/36  (終)

(イ) 箱Rに入っているカードが1枚となる確率を求めよ。

  (解) 全ての場合を確認する。

a\ 箱Q    \b
1,3,5,6      
2,3,5,6    
1,2,3,5,6          
3,4,5,6      
1,3,4,5,6        
2,3,4,5,6      

 よって、求める確率は、 16/36=4/9  (終)


(コメント) 約数を考えさせての確率の問題。数え漏れが起きそうですね。

 次は、円錐の側面の最短線を問う定番の問題です。慣れていれば難なく解答することが
できるでしょう。

問6(ウ)
   左図は長さ6の線分ABを直径とする円Oを底面とし、母線AC
  の長さ9の直円錐である。側面上でABを結ぶ最短線の中点をD
  とする。

   側面上で点Dから線分AC、BCと交わるように曲線を引き、最
  短となるようにする。

   このときの曲線の長さを求めよ。

(解) 展開図を描くと、

 左図において、底面の円周の長さは、6πなので、

 側面の扇形の中心角の大きさは、120°である。

  よって、∠ACB=60°となり、CD=9/2

 以上から、左図の赤線の長さは、

   (9/2)×(/2)×2=27/2  (終)

 次は面積比からの線分の長さを求める問題です。三角形の面積を直接求めなくても解き
うる問題になっていますが、直接求めても解けます。

問3(ア)(A)
   左図のように正三角形ABCの辺AB、BC、CA上にそれ
  ぞれ点D、E、FをAD=BE=CFとなるようにとる。

   AB=18で、AD<BDとする。△ABCの面積と△DEFの
  面積の比が12:7であるとき、線分ADの長さを求めよ。

(解) AD=BE=CF=x とおくと、 BD=CE=AF=18−x

 △ABC=S とすると、 △DEF=S−(x/18)S×(18−x)/18×3=(7/12)S

 よって、 18×18−3x(18−x)=(7/12)×18×18 より、

   108−18x+x2=63 すなわち、 x2−18x+45=0

  (x−3)(x−15)=0

 AD<BD から、 x=3  (終)


 次のような別解も考えられる。

(別解) 題意より、 △ABCの面積=36 とすると、△DEFの面積=21

   このとき、 △ADF=△BED=△CFE=5 となる。

 そこで、 △ADE=m とおくと、 (m+5)×(m+5)/m=36

 よって、 m2−26m+25=0 より、 m=1、25

 m=25 は不適で、 m=1

 したがって、 AD=18×(1/6)=3  (終)

(別解) AD:DB=1:m とおく。△ADE=1 とすると、

   △ADF=△BED=△CFE=m となる。

 このとき、 △ABC=m+1+m(m+1)=(m+1)2

 △DEF=(m+1)2−3m=m2−m+1

 題意より、 (m+1)2 : m2−m+1=12 : 7 なので、

 12m2−12m+12=7(m+1)2 すなわち、 5m2−26m+5=0

  (5m−1)(m−5)=0 より、 m=1/5、5

  AD<BD から、m=1/5 は不適で、 m=5

 よって、 AD=18×(1/6)=3  (終)


 勘の鋭い方は次のように簡単に洞察されるかもしれない。

(別解) 題意より、 △ABCの面積=36 とすると、△DEFの面積=21

   このとき、 △ADF=△BED=△CFE=5 となる。

 そこで、 AD:DB=1 : 5 とすると、 △ABE=6 となり、

BE : EC=6 : 30=1 : 5 で題意を満たす。

 よって、AD=18×(1/6)=3  (終)


(追記) 令和4年2月17日付け

 令和4年2月15日(火)に行われた神奈川県公立高校入試の問題が翌日の新聞朝刊に
掲載された。今年は難易度が大幅に上がり、配点も高難度の問題に重点的に加点された。
 その中から、興味を引いた問題をいくつか解いてみた。問題によっては改題されている。

問3(ア)(A) 下図において、四角形ABCDは平行四辺形とする。∠BCDの二等分線と
         ADとの交点をEとし、辺BCの延長上に点Fを、CF=DFとなるようにとる。
         今、四角形CFDEが平行四辺形のとき、∠ABCの大きさを求めよ。

      

(解) 上図において、 2●+○=180°、●+2○=180°

  このとき、辺々加えて、 3●+3○=360°より、 ●+○=120°

 辺々引いて、 ●−○=0 より、 ●=○ なので、 ○=60°

 よって、 ∠ABC=○=60°  (終)

問3(ウ) 下図のように、円Oの周上の点A、B、C、D、E について、BEとCDは平行で、
      線分ADは∠BDEの二等分線である。

     

 線分ADと線分CEの交点をFとするとき、∠AFEの大きさを求めよ。

(解) 上図より、 2○=86°より、 ○=43°

  また、 2●+○+67°=180°より、 ●=35°

 よって、 ∠AFD=180°−2○−●=59°  (終)


(追記) 令和4年2月18日付け

問3(エ) 下図において、線分ABは円Oの直径であり、2点C、Dは円Oの周上の点である。
      また、点Eは線分AC上の点で、BCとDEは平行であり、点Fは線分ABと線分DEと
      の交点である。

       

  今、AE=2、CE=1、DE=3のとき、△BDFの面積を求めよ。

(解) 下図のように、線分DEを延長し円Oとの交点をGとおく。

      

 このとき、方べきの定理より、 3×EG=2×1 なので、 EG=2/3

 また、△ADEにおいて、三平方の定理より、 AD= である。

 △AEG∽△ADB より、 2 : 2/3= : DB なので、 DB=/3

 したがって、 △ADF=×/3÷2=13/6 となる。

 AF : FE=2 : 1 なので、 △BDF=(13/6)×(1/3)=13/18  (終)


(コメント) 受検生によれば、この問題が一番難しかったらしい。解法は他にもいくつか考
      えられ、数学を純粋に楽しむ者にとっては、良問の部類に入るのだろう。ただ、
      限られた時間で結果を出さなければならない受検生にとっては、所謂「捨て問」
      とならざるを得なかったようだ。


(追記) 令和4年2月19日付け

問4(ウ) 下図のように放物線 y=(1/4)x2 と直線 y=x+3 が交わっている。また、
      A(6,9)、B(−6,9)、C(−6,−3)、D(−6,0)、E(5,0)である。

  線分AB上の点Fを、△AEFの面積が直線 y=x+3 によって2等分されるようにとり、
 直線 y=x+3 と線分EFとの交点をGとする。

    

 このとき、次の問いに答えよ。

(1) F、G の座標を求めよ。

(2) △BGF : △CEG を最も簡単な整数比で表せ。

(解)(1) F(x,9)、G(y−3,y)とおくと、題意より、

 (6−x)(9−y)/2=(6−x)・9/2・(1/2) より、 2(9−y)=9 なので、 y=9/2

 よって、 G(3/2,9/2) である。

 このとき、直線EGの方程式は、 y=(−9/7)x+45/7 なので、y=9とおくと、

 (−9/7)x+45/7=9 を解いて、 x=−2  よって、 F(−2,9) である。

(2) (1)より、 △BGF=4・(9−9/2)・(1/2)=9 となる。

 また、

 △CEG=(3/2+6)(9/2+3)/2+(9/2+3+3)(5−3/2)/2−(5+6)・3/2

      =225/8+147/8−33/2=30

なので、 △BGF : △CEG=9 : 30=3 : 10 である。  (終)


(コメント) △CEGの面積の計算では、次のような方法もあるでしょう。

 △AFG=(6+2)(9−9/2)/2=18 である。

 AC=√(122+122)=12

 直線 y=x+3 と点(5,0)との距離は、4 なので、 △ACE=48

 よって、 △CEG=48−18=30 であるので、

 △BGF : △CEG=9 : 30=3 : 10 である。

 また、上記では面積を直接計算して、△BGF : △CEG を求めたが、面積を計算しなくて
もよいようである。

 実際に、△BGF=S とおくと、 AF : FB=8 : 4=2 : 1 なので、 △AGF=2S

 また、題意より、 △AEG=2S で、 AG : GC=6−3/2 : 3/2+6=3 : 5 より、

 △CEG=(5/3)・2S=(10/3)S なので、

 △BGF : △CEG=S : (10/3)S=3 : 10 である。


(追記) 令和4年2月20日付け

問5(イ) 長さが10の線分PQがある。大、小2つのさいころを投げ、大きいさいころの目を
      a、小さいさいころの目をbとする。線分PQ上に点Rを、PR : RQ=a : b となる
      ようにとる。線分PRを1辺とする正方形の面積をX、線分RQを1辺とする正方形
      の面積をY とおく。このとき、X≧Y+25 となる確率を求めよ。

(解) X=(10a/(a+b))2 、Y=(10b/(a+b))2 なので、

   (10a/(a+b))2≧(10b/(a+b))2+25

 (10a/(a+b))2−(10b/(a+b))2=100(a−b)/(a+b) から、

   100(a−b)/(a+b)≧25  すなわち、 4(a−b)≧(a+b) より、 3a≧5b

 b=1 のとき、 a=2、3、4、5、6

 b=2 のとき、 a=4、5、6

 b=3 のとき、 a=5、6

 よって、求める確率は、 10/36=5/18  (終)


(追記) 令和4年2月21日付け

問6(ウ) 下図は、AB=5、BC=1、AD=4、∠ADC=∠BCD=90°の台形ABCDを
      底面とし、AE=BF=CG=DH=1を高さとする四角柱である。

     

  辺CD上に、CI : ID=7 : 3 であるように点 I をとり、この四角柱の表面上に点Aから点
 I まで辺EF、辺GHと交わるように線で結ぶ。このような線のうち、長さが最も短いのはいく
 つか?

(解) 上図の展開図を描くと、求めるものは線分AI の長さである。

  

 CI : ID=7 : 3 なので、 ID=4×(3/10)=6/5

 また、 △LEF∽△KAE より、 KE=1×(4/5)=4/5 、 AK=1×(3/5)=3/5

 よって、△AIJにおいて、三平方の定理より、

  AI2=(6/5−3/5)2+(5+4/5)2=(9+841)/25=34 なので、

 AI= である。  (終)



  以下、工事中!


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