・関数の問題                          citrus 氏

 f(x)=(x^π)-(π^x) (0<x<π) とし、f(x)の最大値をMとする。

(1) f(x)=0 は唯一つの実数解を持つことを示せ。
(2) f(x)=0 の解をαとおく。最大値Mをとるxはα<x<πを満たすことを示せ。
(3) M>1/2 を示せ。

 (1)は対数をとって、(2)は平均値の定理から解答できたのですが、(3)が分かりません。


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年10月16日付け)

 数値計算による解答しか思い浮かびませんでした。

 M>1/2を示すには、e^π-π^e>1/2 を示せば十分。

 2.718<e<2.719 、3.141<π<3.142 で、2.718×1.156=3.142008 から

 π/e<3.142/2.718<1.156

 log(1+x)<x-x^2/2+x^3/3 から、

 log(1.156)<0.156-0.156^2/2+0.156^3/3=0.145097472<0.146

 logπ=log(π/e)+1<log(1.156)+1<0.146+1=1.146

 elogπ<2.719×1.146=3.115974<3.116

 π-elogπ>3.141-3.116=0.025

 e^x-1>x から、 e^π/π^e-1=e^(π-elogπ)-1>π-elogπ>0.025

 3.1^2=9.61>9.5=19/2

 (19/2)^2=361/4>90

 90^2=8100>8000=20^3

∴ 3.1^8>20^3 なので、 π^e>3.1^(8/3)>20

従って、e^π-π^e=(π^e)(e^π/π^e-1)>20×0.025=0.5 なので、 M>1/2


 citrusさんからのコメントです。(令和元年10月17日付け)

 ありがとうございます。流れがスッキリしてて分かりやすいです。途中logの不等式を用いる
ところは全く思い付かなかったです。e、π共に結構な精度で近似できないと最後までいくの
は難しそうですね。

 実際はMをとるxが大体x=2.85くらいでeに結構近いのですが、f(x)の詳しいグラフが描けな
い状態ではe^π-π^eを計算しようとは中々思えませんでした...。試験等でも、f(e)でも1/2を
超えそう、というのは大体当たりを付けられないといけないものでしょうか?


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年10月17日付け)

 f(x)の詳しいグラフが描けない状態ではe^π-π^eを計算しようとは中々思えませんでした...

 たまたま「私的数学塾」の掲示板「πのおおよその値」で、e^πとπ^eの手計算の話題が
出たばかりで、値を知っていたので、e^π-π^e>1/2はわかっていました。

 試験等でも、f(e)でも1/2を超えそう、というのは大体当たりを付けられないといけないもの
でしょうか?


 e^π>π^eを示す問題は試験でたまに出ると思いますが、e^π-π^e>1/2を示すような
問題は見たことがありません。ただし、x^π-π^x(2<x<π)で「手計算で計算しやすい」の
は、e^π-π^eぐらいしかないと思いますので、もし手計算するとしたら、e^π-π^eになるか
な、とは思います。


(コメント) (1)(2)について考えてみました。

(1) f(x)=(x^π)-(π^x)=0 を満たす解αがあるとすると、α^π=π^α で、両辺の対数を

  とると、πlogα=αlogπ すなわち、 (logα)/α=(logπ)/π が成り立つ。

 そこで、F(x)=(logx)/x とおくと、 F’(x)=(1−logx)/x2=0 より、 x=e

 このとき、0<x<e で、F(x)は単調に増加し、e<x で、F(x)は単調に減少する。

 F(e)=1/e>0 で、x→+0 のとき、F(x)→−∞ 、x→+∞ のとき、F(x)→0

 よって、 F(α)=(logπ)/π (0<α<e) となるαがただ一つ存在する。

 よって、f(x)=0 は唯一つの実数解を持つ。

(2) f(x)=0 の解をαとおくと、f(π)=0 でもあり、f(x)は[α,π]において連続で、

 (α,π)において微分可能なので、平均値の定理より、 最大値Mをとるxにおいて、

 f’(x)=0 (α<x<π)が言える。


#こんな感じでいいのかな?



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