eπのおおよその値の計算を、Excel さんにお願いすると、 eπ≒23.14063 ぐらいだ
と答えてくれる。
関数 y=ex は、下に凸の関数なので、接点(3,e3)における接線の方程式
y=e3(x−3)+e3=e3(x−2)
を考えれば、
eπ>e3(π−2)>2.73×1.14>19.6×1.1>21
より、 eπ>21 であることが分かる。
上記の計算をもう少し精密にすると、
eπ>e3(π−2)>2.7183×1.14159>22.922
下からの近似に対して、上からの近似は厳しく難しい。
手計算で計算できる範囲で、
eπ<e3.5=2.7182823.5≒33.1
eπ<e3.3・・・=2.7182823.3・・・≒28.0
ぐらいしか分からない。何とか手計算で、eπの値は、大体23ぐらいだと自信をもって言
えるような初等的な不等式の評価はできないものだろうか?
GAIさんからのコメントです。(令和元年10月10日付け)
e^(3.14)=e^(314/100)=e^(3+14/100)=e^3*e^(14/100)
≒e^3*(1+(14/100)+(14/100)^2/2+(14/100)^3/6)=23.09
e^(3.15)≒e^3*(1+(15/100)+(15/100)^2/2+(15/100)^3/6)=23.29
(∵ e^3≒(2.718)^3=20.08 で計算)
これより、 23.09<e^π<23.29
らすかるさんからのコメントです。(令和元年10月10日付け)
結果を、 23.09<e^π<23.29 という形にするなら、
(∵ e^3≒(2.718)^3=20.08 で計算)
は良くないと思います。
2.7182<e<2.72 から、 20.08<(2.7182)^3<e^3<(2.72)^3<20.13 のようにして、
1+(14/100)+(14/100)^2/2+(14/100)^3/6=862693/750000>1.15
e^3.14=e^3×e^(14/100)>20.08×1.15=23.092
1+(15/100)+(15/100)^2/2+(15/100)^3/6×80/77=71569/61600<1.17
(∵(15/100)^3/6+(15/100)^4/24+(15/100)^5/120+(15/100)^6/720+…
<(15/100)^3/6+(15/100)^4/24+(15/100)^5/96+(15/100)^5/384…
=(15/100)^3/6・1/(1-(15/100)/4)
=(15/100)^3/6×80/77)
e^3.15=e^3×e^(15/100)<20.13×1.17=23.5521
∴23.09<e^3<23.56
のようにすべきでしょう。
実際、e^3.14=23.1038…, e^3.15=23.3360… ですから、
23.09<e^3.14<e^π<e^3.15<23.29
は成り立っていません。
# 上限がかなり上がっているのは、3.14と比較して3.15がπから遠いためです。試しに一桁
増やして計算すると、
20.079<2.718^3<e^3<2.719^3<20.102
1+(141/1000)+(141/1000)^2/2+(141/1000)^3/6=2302815407/2000000000>1.151
1+(142/1000)+(142/1000)^2/2+(142/1000)^3/6×2000/1929=3334980911/2893500000<1.153
20.079×1.151>23.11 、20.102×1.153<23.18
∴ 23.11<e^3.141<e^π<e^3.142<23.18
のようになり、上限と下限が真値≒23.14とほぼ同じ差になります。
また、こういう方法もあります。(上限下限でおさえていないので少しいいかげんです)
π/1024≒0.003068
e^0.003068≒1+0.003068+0.003068^2/2≒1.0030727
1.0030727^2≒1.0061548
1.0061548^2≒1.0123475
1.0123475^2≒1.0248475
1.0248475^2≒1.0503124
1.0503124^2≒1.1031561
1.1031561^2≒1.2169534
1.2169534^2≒1.4809756
1.4809756^2≒2.1932887
2.1932887^2≒4.8105153
4.8105153^2≒23.141057
∴ e^π≒(e^0.003068)^1024≒23.141
# つまり、e^○は、{e^(小さい数)}^{2^(整数)} とすると、マクローリン展開で数項計算して
あとは2乗していけば良いので、計算が簡単です。
# ただし、2^(整数)があまりにも大きすぎると、誤差が蓄積されます。大雑把に言うと、1024
乗すると誤差も1024倍になって下3桁程度が正しくなくなります。
従って上の計算結果23.141057の下3桁は誤差と考える必要があります。
GAIさんからのコメントです。(令和元年10月11日付け)
有効数字の処理や小さい数での処理方法で未熟な点を知らされました。そこで改めて、上
記の問題に挑戦しかかったのですが、どのように攻めて行ったらいいのか分からなくなりま
した。何方か挑戦願います。
らすかるさんからのコメントです。(令和元年10月11日付け)
e^πの方は、eが元々自然指数関数の底で、e^xのマクローリン展開が綺麗な形になりま
すので比較的簡単ですが、π^eの方は少し面倒ですね。
手計算では少々面倒ですが、8桁非関数電卓を想定して、π≒3.1415927、e≒2.7182818
とします。
logπ=log(π/e)+1 、π/e≒3.1415927/2.7182818≒1.1557274
y=(x-1)/(x+1) とおくと、logx=2(y+y^3/3+y^5/5+…) であることを使います。
x=1.1557274 としてyを求めると、y=0.1557274/2.1557274≒0.0722389
logx≒2(0.0722389+0.0722389^3/3+0.0722389^5/5)≒0.1447299
よって、 logπ≒1.1447299 となり、elogπ≒2.7182818×1.1447299≒3.1116985 なので、
π^e=e^(elogπ)≒e^3.1116985
あとは前回の{e^(小さい数)}^(2^整数)を使って、
0.1116985÷16≒0.0069812
e^0.0069812≒1+0.0069812+0.0069812^2/2≒1.0070056
1.0070056^2≒1.0140603
1.0140603^2≒1.0283183
1.0283183^2≒1.0574385
1.0574385^2≒1.1181761
16乗したので1桁削って、 e^0.1116985≒1.118176
従って、
π^e≒e^3.1116985=e^3×e^0.1116985≒2.7182818^3×1.118176≒22.45916
GAIさんからのコメントです。(令和元年10月12日付け)
y=(x-1)/(x+1) とおくと、logx=2(y+y^3/3+y^5/5+…) であることを使います。
log(1+x)=x-x^2/2+x^3/3-x^4/4+x^5/5-・・・ (|x|<1) より遥かに収束がはやいですね。
π^e=e^(elogπ)≒e^3.1116985
この辺まで何とか追跡していました。e^3.1112< (π^e) <e^3.1120 の範囲を絞っていました。
あとは前回の{e^(小さい数)}^(2^整数)を使って
この手を利用するのが処理しやすいですね。
いつもは関数電卓機能で(もしくはプログラム済みのコマンド)にて処理しているので、中身
がどの様な仕組みで動かされているのが見えずに付き合っていることがわかりました。