山登り法
問題解決法として普段行っていることを整理してみよう。
1.(分類法) 問題を、より簡単な場合に分けて示す方法
例 題 連続する2整数の積は2の倍数であることを示せ。
(解) 整数 n に対して、連続する2整数の積は、 n(n+1)
(1) n=2k (kは整数)のとき、
n(n+1)=2・k(2k+1) は2の倍数である。
(2) n=2k+1 (kは整数)のとき、
n(n+1)=2・(k+1)(2k+1) は2の倍数である。 (終)
単に、整数 n では雲を掴むような感じだが、n の偶奇や3で割った余り、・・・で分類するこ
とによって問題を考えやすくすることは問題解決の基本だろう。
2.(山登り法) 問題を、簡単な場合から段階を追って示す方法
例 題 全ての有理数 x 、y に対して、F(x+y)=F(x)+F(y) を満たすとき、関数 F(x) は、
F(x)=xF(1) と書けることを示せ。
(解) まず、(1) x が正の整数のとき、
F(2)=F(1+1)=F(1)+F(1)=2F(1)
F(3)=F(2+1)=F(2)+F(1)=2F(1)+F(1)=3F(1)
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より、一般に、正の整数 x に対して、F(x)=xF(1) が成り立つ。
(厳密には数学的帰納法を用いる)
(2) x =0 のとき、 F(0+0)=F(0)+F(0) より、F(0)=0
である。
(3) x が負の整数のとき、
F(0)=F(x+(−x))=F(x)+F(−x)=0 より、 F(x)=−F(−x)
このとき、−x は、正の整数なので、 F(−x)=−xF(1) が成り立つ。
よって、 F(x)=−F(−x)=−{−xF(1)}=xF(1) が成り立つ。
(4) x が単位分数 1/n (n は0以外の正の整数)のとき、
F(1)=F(1/2+1/2)=F(1/2)+F(1/2)=2F(1/2) より、 F(1/2)=(1/2)F(1)
同様にして、
F(1)=F(1/3+1/3+1/3)=F(1/3)+F(1/3)+F(1/3)=3F(1/3) より、
F(1/3)=(1/3)F(1)
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一般に、単位分数 1/n (n は0以外の正の整数) に対して、
F(1/n)=(1/n)F(1) が成り立つ。
(5) x が単位分数 −1/n (n は0以外の正の整数)のとき、
F(0)=F(1/n+(−1/n))=F(1/n)+F(−1/n)=0 より、
F(−1/n)=−F(1/n)=(−1/n)F(1)
(6) x が正の有理数 m/n (m、n は正の整数)のとき、
F(m/n)=mF(1/n)=(m/n)F(1) が成り立つ。
(7) x が負の有理数 −m/n (m、n は正の整数)のとき、
F(0)=F(m/n+(−m/n))=F(m/n)+F(−m/n)=0 より、
F(−m/n)=−F(m1/n)=(−m/n)F(1)
以上から、全ての有理数 x に対して、 F(x)=xF(1) が成り立つ。 (終)
以下、工事中!