外来語の言い換え
一般の人には馴染みのない、分かりにくい外来語が,巷に氾濫している。文章を書いて
いる人の語彙力・知識を披露するかのように、全く読み手のことを意識しないで使っている
ようで、非常に困ることが多い。
また、外来語と思われているカタカナ語(以前は、和製英語と言われた!)も一般庶民に
浸透していて、本来の外来語との区別が難しくなってきている。
例えば、「パソコン」や「ノートパソコン」は、日本人にしか通用しない言葉である。正確に
は、「ラップトップコンピュータ」である。企業等のHPでは、こちらの方が通常使用されてい
る。また、子供が好きな「ハンバーグ」も正しくは「ハンバーガーステーキ」である。
日本語は外来語や長い言葉を短縮して巧妙に自身の内に取り入れる器用さが信条であ
る。「絵に描いた餅」のことを「画餅」というが、「パーソナルコンピュータ」を「パソコン」とす
るのは、この「画餅」という言い換えに似ている。しかし、「画餅」と言われて、それが「絵に
描いた餅」のことだと理解するには少し時間がかかるかもしれない。
言葉は存在する物を把握・理解する符号であるので、全員共通にイメージできるもので
あることが望ましい。したがって、「ハンバーグ」と聞いて、多分みんなが「あれだな!」とイ
メージする状況では「ハンバーガーステーキ」に言い換えることは無用だろう。ただ、外国
の方とお話しするときは十分注意しなければならない。
このように、我々を取り巻く社会において、いろいろな言葉が氾濫している。耳慣れない
言葉も多い。日本語に翻訳しにくい物・現象も多いので、やむをえず英語をそのままカタカ
ナ表記してしまうこともあるだろう。
この現状に対して、国立国語研究所が、「外来語」の言い換えを提案している。分かりに
くい外来語を分かりやすくするための方策とのことであるが、発表されている言い換え例を
見ると、首を傾げざるを得ない言葉が続く。「なにもそこまで〜」という外来語も含まれてい
る。
私なりに、「こっちの方を使った方がいいな〜」というものを、独断と偏見で選んでみた。
下記の表で、緑色のものが推奨する言葉である。どちらにも色が付いていない言葉は、言
葉自体難解で別な言葉で言い換えた方がよいと思う言葉である。
皆さんも、しばし、外来語の旅に出てみませんか?
アイドリングストップ | = | 停車時エンジン停止 | ||||
アウトソーシング | = | 外部委託 | ||||
アクションプログラム | = | 実行計画 | ||||
アクセス | = | 接続 | = | 交通手段 | = | 参入 |
アジェンダ | = | 検討課題 | ||||
アセスメント | = | 影響評価 | ||||
アナリスト | = | 分析家 | ||||
アメニティー | = | 快適環境 | = | 快適さ | ||
インキュベーション | = | 起業支援 | ||||
インサイダー | = | 内部関係者 | ||||
インターンシップ | = | 就業体験 | ||||
インタラクティブ | = | 双方向的 | ||||
インパクト | = | 衝撃 | ||||
インフォームドコンセント | = | 納得診療 | = | 説明と同意 | ||
オピニオンリーダー | = | 世論形成者 | ||||
オンデマンド | = | 注文対応 | ||||
ガイドライン | = | 指針 | ||||
キャピタルゲイン | = | 資産益 | ||||
ケア | = | 手当て | = | 介護 | ||
コミット | = | かかわる | = | 確約する | ||
コミットメント | = | 関与 | = | 確約 | ||
コンセンサス | = | 合意 | ||||
コンソーシアム | = | 共同事業体 | ||||
コンテンツ | = | 情報内容 | ||||
サーベイランス | = | 調査監視 | ||||
シーズ | = | 種(たね) | ||||
シェア | = | 占有率 | = | 分かち合う | = | 分け合う |
シフト | = | 移行 | ||||
シンクタンク | = | 政策研究機関 | ||||
スキーム | = | 計画 | ||||
スクリーニング | = | ふるい分け | ||||
スケールメリット | = | 規模効果 | ||||
ストックヤード | = | 一時保管所 | ||||
セカンドオピニオン | = | 第二診断 | ||||
セキュリティー | = | 安全 | ||||
ゼロエミッション | = | 排出ゼロ | ||||
タイムラグ | = | 時間差 | ||||
デイサービス | = | 日帰り介護 | ||||
デリバリー | = | 配達 | ||||
トレーサビリティー | = | 履歴管理 | ||||
ノンステップバス | = | 無段差バス | ||||
ハーモナイゼーション | = | 協調 | ||||
バックオフィス | = | 事務管理部門 | ||||
バリアフリー | = | 障壁なし | ||||
フィルタリング | = | 選別 | ||||
フェローシップ | = | 研究奨学金 | ||||
フォローアップ | = | 追跡調査 | ||||
フレックスタイム | = | 自由勤務時間制 | ||||
プレゼンテーション | = | 発表 | ||||
プロトタイプ | = | 原型 | ||||
ポジティブ | = | 積極的 | ||||
マスタープラン | = | 基本計画 | ||||
メンタルヘルス | = | 心の健康 | ||||
モータリゼーション | = | 車社会化 | ||||
モチベーション | = | 動機付け | ||||
モラトリアム | = | 猶予 | ||||
ユニバーサルサービス | = | 全国均質サービス | ||||
ライフサイクル | = | 生涯過程 | ||||
ライフライン | = | 生活線 | ||||
リーフレット | = | ちらし | ||||
リニューアル | = | 刷新 | ||||
ワーキンググループ | = | 作業部会 | ||||
アーカイブ | = | 保存記録 | = | 記録保存館 | ||
アイデンティティー | = | 独自性 | = | 自己認識 | ||
イノベーション | = | 技術革新 | ||||
インセンティブ | = | 意欲刺激 | ||||
インフラ | = | 社会基盤 | ||||
エンパワーメント | = | 能力開化 | = | 権限付与 | ||
エンフォースメント | = | 法執行 | ||||
オブザーバー | = | 陪席者 | = | 監視員 | ||
キャッチアップ | = | 追い上げ | ||||
グランドデザイン | = | 全体構想 | ||||
グローバリゼーション | = | 地球規模化 | ||||
グローバル | = | 地球規模 | ||||
ケーススタディー | = | 事例研究 | ||||
コア | = | 中核 | ||||
コミュニケ | = | 共同声明 | ||||
コミュニティー | = | 地域社会 | = | 共同体 | ||
コラボレーション | = | 共同制作 | ||||
コンセプト | = | 基本概念 | ||||
サマリー | = | 要約 | ||||
シミュレーション | = | 模擬実験 | ||||
スクーリング | = | 登校授業 | ||||
セーフティーネット | = | 安全網 | ||||
セクター | = | 部門 | ||||
タスク | = | 作業課題 | ||||
タスクフォース | = | 特別作業班 | ||||
ダンピング | = | 不当廉売 | ||||
トレンド | = | 傾向 | ||||
ノーマライゼーション | = | 等生化 | = | 等しく生きる社会の実現 | ||
バーチャル | = | 仮想 | ||||
バックアップ | = | 支援 | = | 控え | ||
パートナーシップ | = | 協力関係 | ||||
ビジョン | = | 展望 | ||||
フレームワーク | = | 枠組み | ||||
ベンチャー | = | 新興企業 | ||||
ボーダレス | = | 無境界 | = | 脱境界 | ||
ポテンシャル | = | 潜在能力 | ||||
マーケティング | = | 市場戦略 | ||||
マクロ | = | 巨視的 | ||||
マネジメント | = | 経営管理 | ||||
マルチメディア | = | 複合媒体 | ||||
ミスマッチ | = | 不釣り合い | ||||
モニタリング | = | 継続監視 | ||||
モラルハザード | = | 倫理崩壊 | ||||
ライブラリー | = | 図書館 | ||||
リアルタイム | = | 即時 | ||||
ログイン | = | 接続開始 | ||||
ワークショップ | = | 研究集会 | ||||
アカウンタビリティー | = | 説明責任 | ||||
イニシアチブ | = | 主導 | = | 発議 | ||
カウンターパート | = | 対応相手 | ||||
ガバナンス | = | 統治 | ||||
コンファレンス | = | 会議 | ||||
コンプライアンス | = | 法令遵守 | ||||
サプライサイド | = | 供給側 | ||||
スキル | = | 技能 | ||||
スタンス | = | 立場 | ||||
ステレオタイプ | = | 紋切り型 | ||||
セーフガード | = | 緊急輸入制限 | ||||
セットバック | = | 壁面後退 | ||||
ソリューション | = | 問題解決 | ||||
ツール | = | 道具 | ||||
デジタルデバイド | = | 情報格差 | ||||
デフォルト | = | 債務不履行 | = | 初期設定 | ||
ドクトリン | = | 原則 | ||||
ハザードマップ | = | 災害予測地図 | = | 防災地図 | ||
パブリックインボルブメント | = | 住民参画 | ||||
パブリックコメント | = | 意見公募 | ||||
フロンティア | = | 新分野 | ||||
ブレークスルー | = | 突破 | ||||
プライオリティー | = | 優先順位 | ||||
プレゼンス | = | 存在感 | ||||
ボトルネック | = | 支障 | ||||
ポートフォリオ | = | 資産構成 | = | 作品集 | ||
マンパワー | = | 人的資源 | ||||
ミッション | = | 使節団 | = | 使命 | ||
モビリティー | = |
移動性 |
||||
ユニバーサルデザイン | = | 万人向け設計 | ||||
リテラシー | = | 読み書き能力 | = | 活用能力 | ||
ロードプライシング | = | 道路課金 | ||||
アクセシビリティー | = | 利用しやすさ | ||||
アミューズメント | = | 娯楽 | ||||
オーガナイザー | = | まとめ役 | ||||
オーナーシップ | = | 所有権 | 主体性 | |||
オフサイトセンター | = | 原子力防災センター | ||||
オペレーション | = | 公開市場操作 | 作戦行動 | |||
カスタムメード | = | 受注生産 | ||||
クライアント | = | 顧客 | ||||
コージェネレーション | = | 熱電併給 | ||||
コンポスト | = | たい肥化装置 | ||||
サプリメント | = | 栄養補助食品 | ||||
サムターン | = | 内鍵つまみ | ||||
センサス | = | 大規模調査 | ||||
ソフトランディング | = | 軟着陸 | ||||
デポジット | = | 預かり金 | ||||
ドナー | = | 臓器提供者 | 資金提供国 | |||
トラウマ | = | 心の傷 | ||||
ナノテクノロジー | = | 超微細技術 | ||||
ネグレクト | = | 育児法規 | 無視 | |||
バイオテクノロジー | = | 生命工学 | ||||
バイオマス | = | 生物由来資源 | ||||
ハイブリッド | = | 複合型 | ||||
ヒートアイランド | = | 都市高温化 | ||||
ビオトープ | = | 生物生息空間 | ||||
フリーランス | = | 自由契約 | ||||
メディカルチェック | = | 医学的検査 | ||||
リードタイム | = | 所要時間 | ||||
リターナブル | = | 回収再使用 | ||||
リデュース | = | ゴミ発生抑制 | ||||
リバウンド | = | 揺り戻し | ||||
リユース | = | 再使用 | ||||
リリース | = | 発表 | ||||
レシピエント | = | 移植患者 | ||||
ワークシェアリング | = | 仕事の分かち合い | ||||
ワンストップ | = | 一箇所 |