垂線の足の距離                            戻る

 △ABCの辺BC上の点Pより、辺AB、ACに下ろした垂線の足を、それぞれM、Nとおく。

  このとき、

     MN=AP・sinA

 が成り立つ。


(コメント) 何となくスッキリした定理で、知っていると得す
      るような...予感。

 証明は、余弦定理を用いて容易に示すことができる。

(証明) AM=AP・cos α 、 AN=AP・cos β であるので、余弦定理により、

MN2=AM2+AN2−2AM・AN・cos( α + β )

=AP2・cos2 α+AP2・cos2 β
 −2AP2・cos α・cos β・cos( α + β )

 ここで、

 cos( α + β )=cos α・cos β−sin α・sin β

 なので、

MN2

=AP2・(cos2 α+cos2 β−2cos2 α・cos2 β+2sin α・sin β・cos α・cos β)

=AP2・(cos2 α・(1−cos2 β)+cos2 β・(1−cos2 α)
 +2sin α・sin β・cos α・cos β)

=AP2・(cos2 α・sin2 β+sin2 α・cos2 β+2sin α・sin β・cos α・cos β)

=AP2・(sin α・cos β+cos α・sin β)2

=AP2・sin2( α + β )

 sin( α + β )>0 なので、  MN=AP・sin( α + β )=AP・sinA

が成り立つ。 (証終)

 証明を書き上げて、ボーッと図を眺めていると、上記の証明よりも易しい証明があること
に気づいた。


(別証) 題意より、四角形AMPNは円に内接する四角形で、APが直径である。

 よって、△AMNに正弦定理を適用して、 MN=AP・sinA が成り立つ。 (別証終)


(コメント) こんな別証があるなんて、「ガ〜ン!」ですね!もっとも、こちらの方を先に思い
      浮かぶ方の方が多いかも...。


(追記) 令和5年11月4日付け

 C=90°の直角三角形ABCにおいて、頂点Cから斜辺BCに垂線を下ろし、その足をH
とおき、CH=h とする。また、BC=a、CA=b とおく。

  

このとき、

 

が成り立つ。

(証明) 三平方の定理より、 AB2=a2+b2 である。

 また、△ABCの面積を求めて、 ab/2=AB・h/2 から、 a22=AB2・h2

よって、 a22=(a2+b2)・h2 から、 1/h2=(a2+b2)/a22=1/a2+1/b2

したがって、

 

が成り立つ。  (証終)


例 a=3、b=4 の直角三角形ABCにおいて、頂点Cから斜辺ABに下した垂線AHの長さ
 h について、

 1/h2=1/32+1/42=25/144

より、 h=12/5 である。


 光源から距離 r だけ離れた場所での光の強さは、r2の逆数に比例するという法則がある。

例えば、点(0,1)に光源Hを置いたとき、原点で感じる光の強さは、光源Hを2点(−1,1)

(1,1)のそれぞれに置いたときに感じる光の強さは、相等しい。

  

 A、Bから感じる光の強さは、(2の逆数に比例し、公式

 

から、原点Oで感じる光源Hの光の強さは、2点A、Bから感じる光の強さに等しい。


(コメント) 一つの光源が2箇所に転移することが、数学的に説明されるんですね!



  以下、工事中!