120 | 令和6年度前期 | 東京医科歯科大学 | 理系 | ・・・ | 整数(数学A) | やや難 |
東京医科歯科大学 前期理系(2024)
第1問 nを2以上の自然数とする。自然数の組(a1,a2,・・・,an)を解とする方程式
(*) a1+a2+・・・+an=a1a2・・・an
を考えるとき、以下の各問いに答えよ。
(1) n=3のとき、(*)の解(a1,a2,a3)のうち、a1≦a2≦a3 を満たすものをすべて求めよ。
(2) n≧3のとき、(*)の任意の解(a1,a2,・・・,an)において、ai=1となる i が少なくとも
1つ存在することを示せ。
(3) (*)のある解(a1,a2,・・・,an)において、ai=1となる i がちょうど2個存在していると
する。このとき、nの取り得る値をすべて求めよ。
(解)(1) 条件より、 3a3≧a1+a2+a3=a1a2a3 より、 3≧a1a2
このとき、 (a1,a2)=(1,1)、(1,2)、(1,3)
(a1,a2)=(1,1) のとき、 2+a3=a3 は、不適
(a1,a2)=(1,2) のとき、 3+a3=2a3 より、 a3=3
(a1,a2)=(1,3) のとき、 4+a3=3a3 より、 a3=2 これは、a2≦a3 に矛盾
以上から、 (a1,a2,a3)=(1,2,3)
(2) a1≦a2≦・・・≦an としても一般性を失わない。
すべての i について、ai≧2 と仮定すると、 nan≧a1+a2+・・・+an=a1a2・・・an
から、 n≧a1a2・・・an-1≧2n-1
しかるに、n≧3 のとき、 2n-1>n なので、これは矛盾。
したがって、 ai=1となる i は少なくとも1つ存在する。
(3) a1≦a2≦・・・≦an としても一般性を失わない。
明らかに、n=2のときは起こらない。
(1)より、n=3のときも、条件に不適なので、n≧4 である。
条件より、a1=a2=1 で、2≦a3≦・・・≦an、2+a3+・・・+an=a3・・・an が成り立つ。
n=4 のとき、 2+a3+a4=a3a4 より、 (a3−1)(a4−1)=3 なので、
a3−1=1 、a4−1=3 すなわち、 a3=2 、a4=4
よって、n=4 は適である。
n=5 のとき、 2+a3+a4+a5=a3a4a5 より、a3=a4=a5=2 という解を持つので、
n=5 は適である。
n≧6 のとき、2+a3+a4+・・・+an=a3a4・・・an で、2≦a3≦・・・≦an と仮定すると、
a3a4・・・an=2+a3+a4+・・・+an≦(n−1)an
すなわち、 a3a4・・・an-1≦n−1 より、 2n-3≦n−1
しかるに、n≧6 のとき、 2n-3>n−1 なので、これは矛盾である。
よって、n≧6 のとき、条件を満たす(*)の解は存在しない。
以上から、条件を満たす n の取り得る値は、 n=4、5 である。 (終)
以下、工事中!