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107 令和6年度前期  名古屋大学   理系 ・・・  複素数平面(数学V)  標準

名古屋大学 前期理系(2024)

第2問 c を1より大きい実数とする。また、i を虚数単位として、α=(1−i)/ とおく。
  複素数 z に対して、
 P(z)=z3−3z2+(c+2)z−c 、Q(z)=−α73+3α62+(c+2)αz−c
と定める。

(1) 方程式 P(z)=0 を満たす複素数 z をすべて求め、それらを複素数平面上に図示せ
  よ。
(2) 方程式 Q(z)=0 を満たす複素数 z のうち実部が最大のものを求めよ。
(3) 複素数 z についての2つの方程式 P(z)=0、Q(z)=0 が共通解βを持つとする。
  そのときの c の値とβを求めよ。

(解)(1) P(z)=(z−1)(z2−2z+c)=0 から、 z=1、1±i・√(c−1) (図示は省略)

(2) α=(1−i)/=cos(π/4)−i・sin(π/4) より、 α4=−1 即ち、 α8=1

よって、

Q(z)=−α4(αz)3+3α4(αz)2+(c+2)(αz)−c

 =(αz)3−3(αz)2+(c+2)(αz)−c

(1)より、 Q(z)=((αz)−1)((αz)2−2(αz)+c)=0 なので、

 (αz)=1 、1±i・√(c−1)

ここで、 1/α=cos(π/4)+i・sin(π/4)=(1+i)/ なので、

 z=(1+i)/ 、(1+√(c−1)+i・(1−√(c−1)))/ 、

 (1−√(c−1)+i・(1+√(c−1)))/

よって、実部が最大のものは、 (1+√(c−1)+i・(1−√(c−1)))/ である。

(3) (2)より、Q(z)=0 の解は、P(z)=0 の解を原点中心で45°回転して得られる。

 よって、共通解を持つのは、

 1+i・√(c−1)=(1+√(c−1)+i・(1−√(c−1)))/

のときに限る。すなわち、

 1+√(c−1)= 、√(c−1)=1−√(c−1)

 √(c−1)=−1 から、 c−1=3−2 より、 c=4−2

 √(c−1)=1−√(c−1) から、 (+1)√(c−1)=1 なので、

 √(c−1)=1/(+1)=−1 となり、第1式と同じ等式となる。

 このとき、 共通解は、 1+i・√(c−1)=1+i・(−1)  (終)



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