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102 令和6年度前期  大阪大学   理系 ・・・  複素数平面(数学V)  やや難

大阪大学 前期理系(2024)

第2問 α、βを複素数とし、複素数zに対して、 F(z)=z2+αz+β とおく。
  α、βは、 |F(1)−3|≦1 かつ |F(i)−1|≦3 を満たしながら動く。ただし、i は虚数
  単位である。

(1) F(1+i) がとりうる値の範囲を求め、複素数平面上に図示せよ。
(2) F(1+i)=0 であるとき、α、βの値を求めよ。

(解)(1) F(1+i)=(1+i)2+α(1+i)+β=α+β+i・(α+2)

ここで、 F(1)=1+α+β 、F(i)=β−1+i・α なので、条件より、

 |α+β−2|≦1 かつ |β−2+i・α|≦3

 今、 α+β−2=u 、β−2+i・α=v とおくと、 |u|≦1 かつ |v|≦3

 (1−i)α=u−v 即ち、 α=(u−v)/(1−i)=(1+i)(u−v)/2

 (1−i)β−2(1−i)=v−ui 即ち、 β=2+(v−ui)/(1−i)=2+(1+i)(v−ui)/2

このとき、

 F(1+i)=u+2+i・((1+i)(u−v)/2+2)

 =2+2i+{(1+i)/2}・u+{(1−i)/2}・v  ただし、 |u|≦1 かつ |v|≦3

ここで、 |{(1+i)/2}・u|=|u|/≦1/ 、|{(1−i)/2}・v|=|v|/≦3/

 よって、F(1+i)は、点2+2i から {(1+i)/2}・u だけ移動後、さらに、{(1−i)/2}・v

だけ移動させれば得られる。

 ただし、|{(1+i)/2}・u|≦1/は、原点中心で半径1/の円板で、

 |{(1−i)/2}・v|≦3/は、原点中心で半径3/の円板である。

 以上から、F(1+i) がとりうる値の範囲は、下図のように、

 点2+2i を中心とし、半径2 の円の内部および周である。

  

(2) F(1+i)=2+2i+{(1+i)/2}・u+{(1−i)/2}・v=0 より、

 {(1+i)/2}・u=(−(1+i)/)/=−(1+i)/2 から、 u=−1

 {(1−i)/2}・v=(−3(1+i)/)/=−3(1+i)/2 から、 v=−3i

なので、このとき、 α=(1+i)(u−v)/2=(1+i)(−1+3i)/2=−2+i

β=2+(1+i)(v−ui)/2=2+(1+i)(−3i+i)/2=3−i  (終)



  以下、工事中!