100 | 令和6年度前期 | 東京工業大学 | 理系 | ・・・ | 確率・極限(数A・B・V) | やや難 |
東京工業大学 前期理系(2024)
第4問 nを正の整数とし、C1、・・・、Cn をn枚の硬貨とする。各k=1、・・・、n に対し、硬
貨Ck を投げて表が出る確率をpk、裏が出る確率を 1−pk とする。このn枚の硬貨を
同時に投げ、表が出た硬貨の枚数が奇数であれば成功、というゲームを考える。
(1) pk=1/3 (k=1、・・・、n) のとき、このゲームで成功する確率Xnを求めよ。
(2) pk=1/(2(k+1)) (k=1、・・・、n) のとき、このゲームで成功する確率Ynを求め
よ。
(3) n=3m (mは正の整数) で、k=1、・・・、3m に対して、
k=1、・・・、m のとき、 pk=1/(3m)
k=m+1、・・・、2m のとき、 pk=2/(3m)
k=2m+1、・・・、3m のとき、 pk=1/m
とする。このゲームで成功する確率をZ3mとするとき、limm→∞ Z3m を求めよ.
(解) 題意より、 Xn+1=Xn(1−pn+1)+(1−Xn)pn+1=Xn(1−2pn+1)+pn+1
よって、 Xn+1−1/2=(1−2pn+1)(Xn−1/2) と式変形されるので、
Xn−1/2=(1−2pn)(1−2pn-1)・・・(1−2p2)(X1−1/2)
n=1 のとき、成功するためには、C1を投げて表が出ればよい。よって、X1=p1
したがって、 Xn={1−(1−2pn)(1−2pn-1)・・・(1−2p2)(1−2p1)}/2
(1) pk=1/3 (k=1、・・・、n) のとき、 Xn=(1−(1/3)n)/2
(2) pk=1/(2(k+1)) (k=1、・・・、n) のとき、 1−2pk=k/(k+1) なので、
Yn=(1−(1/2)(2/3)(3/4)・・・(n/(n+1)))/2=(1−(1/(n+1))/2=n/(2(n+1))
(3) 条件より、Z3m=(1−(1−2/(3m))m(1−4/(3m))m(1−2/m)m)/2 なので、
limm→∞ Z3m =(1−e^(−2/3)e^(−4/3)e^(−2))/2=(1−e^(−4))/2 (終)
(コメント) 確率の漸化式が大活躍する問題でした!
以下、工事中!