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098 令和6年度前期  東京工業大学   理系 ・・・  微分積分(数学V)  標準

東京工業大学 前期理系(2024)

第2問 実数全体を定義域にもつ微分可能な関数F(t)、G(t)が次の6つの条件を満たして
  いるとする。

 F’=−FG 、G’=F2 、F(t)>0 、|G(t)|<1 、F(0)=1 、G(0)=0

 このとき、 p=F2+G2 、q=log{(1+G)/(1−G)} とおく。

(1) p’を求めよ。
(2) q’は定数関数であることを示せ。
(3) limt→∞ G を求めよ.
(4) F(T)=G(T) となる正の実数Tに対して、媒介変数表示された平面曲線
  (x,y)=(F(t),G(t)) (0≦t≦T) の長さを求めよ。

(解)(1) p’=2FF’+2GG’=−2F2G+2F2G=0

(2) (1)より、 p=(定数) となるが、 F(0)=1 、G(0)=0 より、 p=1 である。

 すなわち、 F2+G2=1 となる。

このとき、

 q’=(1−G)/(1+G)・(G’(1−G)+(1+G)G’)/(1−G)2

  =2G’/{(1+G)(1−G)}

  =2F2/{(1+G)(1−G)}

をさらに微分して、

 q”=2{2FF’(1+G)(1−G)−F2(G’(1−G)−G’(1+G))}/{(1+G)2(1−G)2

  =2{−2F2G(1+G)(1−G)−F2(F2(1−G)−F2(1+G))}/{(1+G)2(1−G)2

  =2{−2F2G(1+G)(1−G)+2F4G}/{(1+G)2(1−G)2

  =4F2G{−(1+G)(1−G)+F2}/{(1+G)2(1−G)2

  =4F2G{−1+G2+F2}/{(1+G)2(1−G)2}=0  (← F2+G2=1)

となるので、 q’は定数である。

# q”を計算しなくても、q’を直接計算して、定数であることが示される。

(別解) 1−G2=F2 なので、

 q’=2F2/{(1+G)(1−G)}=2F2/(1−G2)=2F2/F2=2

 よって、q’は、定数関数である。

(3) q’=2 より、 q=2t+C で、t=0 とおくと、 q=0 なので、 C=0

 よって、 log{(1+G)/(1−G)}=2t より、 (1+G)/(1−G)=e2t

 1+G=e2t−e2tG より、 G=(e2t−1)/(e2t+1)=(1−1/e2t)/(1+1/e2t

 ここで、t → ∞ とすると、 1/e2t → 0 なので、 limt→∞ G=1

(4) F(T)=G(T) となるとき、F2+G2=1 より、F(T)=G(T)=1/ となる。

 (3)より、 G=(e2T−1)/(e2T+1)=1/ をTについて解いて、e2T=(+1)2

 よって、e+1 すなわち、 T=log(+1) が定まる。

 平面曲線 (x,y)=(F(t),G(t)) (0≦t≦T) において、 F2+G2=1 から、曲線は円

で、(F(0),G(0))=(1,0) 、(F(T),G(T))=(1/,1/)が端点である。

G’=F2>0 から、Gは単調に増加するので、点(x,y)は、円 x2+y2=1 上を、点(1,0)

から点(1/,1/)までを移動する。

 よって、求める曲線の長さは、 1・(π/4)=π/4 である。  (終)



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