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097 令和6年度前期  東京工業大学   理系 ・・・  微分(数U・V)  標準

東京工業大学 前期理系(2024)

第1問 xy 平面上の曲線 y=(1/2)x2 に、点(a,(1/2)a2)で接する円のうち、y 軸の正の
  部分にも接するものをSとおく。a が正の実数を動くときのSの中心の軌跡をC、特にS1
  の中心をPとする。

  

(1) 点Pの座標を求めよ。
(2) 点Pにおける曲線Cの接線の傾きを求めよ。

(解)(1) 題意より、円S1の中心P(b,c)とおくと、半径は、b である。

 よって、(b,c)と(1,1/2)の距離がbより、 (b−1)2+(c−1/2)2=b2

 すなわち、−2b+1+c2−c+1/4=0 より、 c2−c+5/4=2b

 また、y’=x より、点(1,1/2)における接線の傾きは、1なので、

 (c−1/2)/(b−1)=−1 より、 b=3/2−c

よって、c2−c+5/4=3−2c より、 c2+c−7/4=0 なので、 c=(−1±2)/2

ここで、 c>0 なので、 c=(−1+2)/2

このとき、 b=3/2−(−1+2)/2=(4−2)/2=2−

 以上から、 P(2− ,(−1+2)/2) である。

(2) (1)と同様にして、 (b−a)2+(c−(1/2)a22=b2

すなわち、−2ab+a2+c2−a2c+(1/4)a4=0 より、c2−a2c+a2+(1/4)a4=2ab

また、y’=x より、点(a,(1/2)a2)における接線の傾きは、a なので、

 (c−(1/2)a2)/(b−a)=−1/a より、 b=(1−c)a+(1/2)a3

よって、c2−a2c+a2+(1/4)a4=2(1−c)a2+a4 より、c2+a2c−a2−(3/4)a4=0

このとき、 c=(−a2±2a√(a2+1))/2

ここで、 c>0 なので、 c=(−a2+2a√(a2+1))/2=−(1/2)a2+a√(a2+1)

このとき、 b=(1+(1/2)a2−a√(a2+1))a+(1/2)a3=a+a3−a2√(a2+1)

点Pにおける曲線Cの接線の傾きは、

 db/da=1+3a2−2a√(a2+1)−a3/√(a2+1)

 a=1を代入して、

 db/da=4−2−1/=(8−5)/2

次に、 dc/da=−a+√(a2+1)+a2/√(a2+1)

 a=1を代入して、

 dc/da=−1++1/=(−2+3)/2


 dc/db=(dc/da)/(db/da)=(−2+3)/(8−5)=1+  (終)


(コメント) db/da=(8−5)/2 、dc/da=(−2+3)/2 という結果に一抹の不
     安を感じましたが、dc/db=1+ という美しい結果に感動しました!



  以下、工事中!