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094 令和6年度前期  東北大学   理系 ・・・  ベクトル(数学B)  標準

東北大学 前期理系(2024)

第4問 xyz 空間において、点P1(3,−1,1)を中心とし半径がの球面S1と、
  点P2(5,0−1)を中心とし半径がの球面S2を考える。

(1) 線分P1P2の長さを求めよ。
(2) S1とS2が交わりをもつことを示せ。この交わりは円となる。この円をCとし、その中心を
 P3とする。Cの半径および中心P3の座標を求めよ。
(3) (2)の円Cに対し、Cを含む平面をHとする。xy 平面とHの両方に平行で、大きさが1の
 ベクトルをすべて求めよ。
(4) 点Qが(2)の円C上を動くとき、Qと xy 平面の距離dの最大値を求めよ。また、d の最
 大値を与える点Qの座標を求めよ。

  

(解)(1) P1P22=4+1+4=9 より、 P1P2=3

(2) P1P2 より、S1とS2は交わる。

 球面S1の方程式は、 (x−3)2+(y+1)2+(z−1)2=5 すなわち、

  x2+y2+z2−6x+2y−2z+6=0

 球面S2の方程式は、 (x−5)2+y2+(z+1)2=2 すなわち、

  x2+y2+z2−10x+2z+24=0

 よって、Cを含む平面Hの方程式は、 4x+2y−4z−18=0 すなわち、

  2x+y−2z−9=0

 直線P1P2の方程式は、 (x−3)/2=y+1=(z−1)/−2 なので、

  x=2t+3 、y=t−1 、z=−2t+1

 2x+y−2z−9=0 に代入して、 2(2t+3)+t−1−2(−2t+1)−9=0 より、

 t=2/3 となるので、 P3(13/3,−1/3,−1/3)

 点P1から平面Hに下ろした垂線の長さは、

|2・3+(−1)−2・1−9|/√(4+1+4)=6/3=2

よって、円Cの半径 r は、 r2=5−4=1 より、 r=1

(3) xy 平面とHの両方に平行なベクトルを(a,b,c)とおくと、

 (a,b,c)⊥(0,0,1) かつ (a,b,c)⊥(2,1,−2)

から、 c=0 かつ 2a+b−2c=0 すなわち、 c=0 かつ 2a+b=0

 a2+b2+c2=1 より、 a2+4a2=1 よって、 a=±1/

したがって、求めるベクトルは、 (1/,−2/,0) 、(−1/,2/,0)

(4) (3) より、xy 平面とHの両方に平行なベクトル は、

  =(1/,−2/,0) 、(−1/,2/,0)

 平面Hに垂直なベクトル は、=(2,1,−2)

 u 、v に垂直なベクトルを =(d,e,f) とすると、

 d−2e=0 、 2d+e−2f=0 から、 d=2e 、f=(5/2)e

 よって、 =(4,2,5) としてよい。

  

 ||=3 より、方向の単位ベクトルは、±(1/(3))(4,2,5)

以上から、点Qの z 座標は、 −1/3−/3 のとき、絶対値が最大である。

 したがって、 d=1/3+/3=(1+)/3 となる。

このときの点Qの座標は、

(13/3,−1/3,−1/3)−(1/(3))(4,2,5)

=((65−4)/15,−(5+2)/15,−(1+)/3)

である。  (終)


(コメント) 点Qの座標を求める手法が勉強になりました。空間把握がポイントですね!



  以下、工事中!