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093 令和6年度前期  東北大学   理系 ・・・  確率・数列(数A・B)  やや難

東北大学 前期理系(2024)

第3問 nを2以上の整数とする。それぞれ A、A、B と書かれた3枚のカードから無作為に1
  枚抜き出し、カードをもとに戻す試行を考える。この試行をn回繰り返し、抜き出したカード
  の文字を順に左から右に並べ、n文字の文字列を作る。作った文字列内に AAA の並び
  がある場合は不可とする。また、作った文字列内にBBの並びがある場合も不可とする。
  これらの場合以外は可とする。

 たとえぱ、n=6 のとき、文字列 AAAABA や ABBBAA や ABBABB や BBBAAA などは
不可で、文字列 BABAAB や BABABA などは可である。

 作った文字列が可で、かつ、右端の2文字がAAである確率を p 、作った文字列が可で、
かつ、右端の2文字がBAである確率を q 、作った文字列が可で、かつ、右端の文字がB
である確率を rn とそれぞれおく。

(1) p2、q2、r2 をそれぞれ求めよ。また、pn+l、qn+1、rn+1 をpn、qn、rn を用いてそれぞ
  れ表せ。
(2) pn+2qn+2rn をnを用いて表せ。
(3) pn+i・qn−(1+i)rn をnを用いて表せ。ただし、i は虚数単位である。
(4) p=r を満たすための、nの必要十分条件を求めよ。

(解)(1) n=2 のとき、AA から、p2=(2/3)2=4/9

 BA から、q2=(1/3)(2/3)=2/9

 AB から、r2=(2/3)(1/3)=2/9

 ・・・BA_A から、pn+l=(2/3)q

 ・・・AB_A から、qn+1=(2/3)rn

 ・・・AA_B または、 ・・・BA_B から、rn+1=(1/3)pn+(1/3)qn

(2) pn+1+2qn+1+2rn+1

 =(2/3)q+(4/3)rn+(2/3)pn+(2/3)qn=(2/3)(pn+2qn+2rn

よって、 pn+2qn+2rn=(2/3)n-2(p2+2q2+2r2)=3(2/3)n

(3) (2)と同様にして、

 pn+1+i・qn+1−(1+i)・rn+1

 =(2/3)q+i・(2/3)・rn−(1+i)・((1/3)pn+(1/3)qn

 =−(1+i)/3・pn+(1−i)/3・qn+(2i/3)・rn

 =−(1+i)/3・(pn+i・qn−(1+i)・rn

なので、

n+i・qn−(1+i)・rn

={−(1+i)/3}n-2(p2+i・q2−(1+i)・r2

={−(1+i)/3}n-2・(2/9)

=−i・{−(1+i)/3}n

(4) (3)より、 pn+i・qn−(1+i)・rn=−i・{−(1+i)/3}n

両辺の共役複素数を求めて、 pn−i・qn−(1−i)・rn=i・{−(1−i)/3}n

2式を辺々加えて、

 2pn−2rn

=−i・{−(1+i)/3}n+i・{−(1−i)/3}n=−i(−1)/3・((1+i)−(1−i)

よって、p=r を満たすための必要十分条件は、 (1+i)−(1−i)=0

すなわち、 (1+i)/(1−i)=1 より、 i=1

したがって、求めるnの必要十分条件は、 nは4の倍数 である。  (終)



  以下、工事中!