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090 令和6年度前期  北海道大学   理系 ・・・  微分積分(数学V)  標準

北海道大学 前期理系(2024)

第5問 関数 F(x)=x log(x+2)+1 (x>−2) を考える。y=F(x) で表される曲線をC
  とする。Cの接線のうち傾きが正で原点を通るものをLとする。ただし、log t は t の自然
  対数である。

(1) 直線Lの方程式を求めよ。
(2) 曲線Cは下に凸であることを証明せよ。
(3) CとLおよび y 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。

(解)(1) y’=log(x+2)+x/(x+2) なので、接点(t,t log(t+2)+1)における接線の

方程式は、 y=(log(t+2)+t/(t+2))(x−t)+t log(t+2)+1

原点(0,0)を通るので、 −t(log(t+2)+t/(t+2))+t log(t+2)+1=0

すなわち、 −t2/(t+2)+1=0 より、 t2−t−2=0

 (t−2)(t+1)=0 より、 t=2、−1

t=2 のとき、y’=log4+1/2>0 で、適する

t=−1 のとき、y’=−1<0 で、不適

 以上から、求める接線の方程式は、 y=(log4+1/2)x

(2) y”=1/(x+2)+(x+2−x)/(x+2)2=1/(x+2)+2/(x+2)2

 x>−2 のとき、 y”>0 なので、曲線Cは下に凸である。

(3) 
  

S=∫02 (x log(x+2)+1−(log4+1/2)x)dx

 =[x2/2・log(x+2)]02−(1/2)∫022/(x+2)dx+[x]02−(log4+1/2)[x2/2]02

 =2log 4 −(1/2)∫022/(x+2)dx+2−2(log4+1/2)

 =1−(1/2)∫022/(x+2)dx

 x+2=t とおくと、 dx=dt なので、

 ∫022/(x+2)dx=∫24 (t−2)2/t dt

=∫24 (t−4+4/t) dt=[(t−4)2/2+4log t]24=4log 4−2−4log 2=4log 2−2

 以上から、 S=1−(1/2)(4log 2−2)=2−2log 2  (終)



  以下、工事中!