077 | 令和6年度前期 | 京都大学 | 理系 | ・・・ | 対数・極限(数学U・V) | やや難 |
京都大学 前期理系(2024)
第6問 自然数kに対して、ak=2^√k とする。nを自然数とし、akの整数部分がn桁である
ようなkの個数をNnとする。また、akの整数部分がn桁であり、その最高位の数字が1で
あるようなkの個数をLnとする。次を求めよ。
limn→∞ Ln/Nn
ただし、例えば、実数 2345.678 の整数部分 2345 は4桁で、最高位の数字は、2 である。
#題意を理解するために、いくつか実験しておこう。
a1=2 → a1の整数部分は、2で、1桁の数であるので、N1≧1
a1の整数部分が1桁で、その最高位の数字が2なので、k=1は不適。
a2=2^=2.66・・・ → a2の整数部分は、2で、1桁の数であるので、N1≧2
a2の整数部分が1桁で、その最高位の数字が2なので、k=2は不適。
a3=2^=3.32・・・ → a3の整数部分は、3で、1桁の数であるので、N1≧3
a3の整数部分が1桁で、その最高位の数字が3なので、k=3は不適。
a4=2^2=4 → a4の整数部分は、4で、1桁の数であるので、N1≧4
a4の整数部分が1桁で、その最高位の数字が4なので、k=4は不適。
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a11=2^√11=9.96・・・ → a11の整数部分は、9で、1桁の数である。
a11の整数部分が1桁で、その最高位の数字が9なので、k=4は不適。
a12=2^√12=11.03・・・ → a12の整数部分は、11で、2桁の数である。
a12の整数部分が2桁で、その最高位の数字が1なので、L2≧1
a13=2^=12.17・・・ → a13の整数部分は、12で、2桁の数である。
a13の整数部分が2桁で、その最高位の数字が1なので、L2≧2
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akの整数部分が1桁であるとき、 log10 ak =(√k)log10 2 において、
1≦(√k)log10 2<1 すなわち、 1≦√k<1/log10 2
0.301<log10 2<0.302 なので、 3.31<1/log10 2<3.32
よって、 1≦k≦9 より、 N1=9 となる。
akの整数部分が1桁であり、その最高位の数字が1であるとき、
1≦ak<2 なので、 0≦(√k)log10 2<log10 2 より、
1≦√k<1 なので、 L1=0 となる。
(解) akの整数部分がn桁であるとき、 log10 ak =(√k)log10 2 において、
n−1≦(√k)log10 2<n すなわち、 (n−1)/log10 2≦√k<n/log10 2 より、
{(n−1)/log10 2}2≦k<{n/log10 2}2 となる。
このとき、 Nn=[{n/log10 2}2]−[{(n−1)/log10 2}2] ([ ]はガウスの記号)
また、akの整数部分がn桁であり、その最高位の数字が1であるとき、
10n-1≦ak<2・10n-1 なので、 n−1≦(√k)log10 2<n−1+log10 2 より、
(n−1)/log10 2≦√k<1+(n−1)/log10 2 なので、
{(n−1)/log10 2}2≦k<{1+(n−1)/log10 2}2 となる。
このとき、 Ln=[{1+(n−1)/log10 2}2]−[{(n−1)/log10 2}2]
ここで、[ ]はガウスの記号より、 [x]≦x<[x]+1 が成り立つので、
Ln/Nn
<({1+(n−1)/log10 2}2−{(n−1)/log10 2}2+1)/({n/log10 2}2−1−{(n−1)/log10 2}2)
=(2+2(n−1)/log10 2)/((2n−1)/(log10 2)2−1)
=(2(log10 2)2+2(n−1)log10 2)((2n−1)−(log10 2)2)
このとき、 limn→∞ Ln/N≦log10 2
同様にして、
Ln/Nn
>({1+(n−1)/log10 2}2−1−{(n−1)/log10 2}2)/({n/log10 2}2−{(n−1)/log10 2}2+1)
=(2(n−1)/log10 2)/((2n−1)/(log10 2)2+1)
=2(n−1)(log10 2)/(2n−1+(log10 2)2)
このとき、 limn→∞ Ln/N≧log10 2
以上から、 limn→∞ Ln/N=log10 2 (終)
以下、工事中!