075 | 令和6年度前期 | 京都大学 | 理系 | ・・・ | 数列(数学B) | やや難 |
京都大学 前期理系(2024)
第4問 与えられた自然数a0に対して、自然数からなる数列 a0,a1,a2,・・・ を次のように
定める。
anが偶数のとき、 an+1=an/2
anが奇数のとき、 an+1=(3an+1)/2
次の問いに答えよ。
(1) a0,a1,a2,a3 がすべて奇数であるような最小の自然数a0を求めよ.
(2) a0,a1,a2,・・・ ,a10 がすべて奇数であるような最小の自然数a0を求めよ。
(解) (1) a0=1,2,3,・・・ について、順次調べていく。
a0=1,a1=2 (不適)
a0=3,a1=5,a2=8 (不適)
a0=5,a1=8 (不適)
a0=7,a1=11,a2=17,a3=26(不適)
a0=9,a1=14(不適)
a0=11,a1=17,a2=26(不適)
a0=13,a1=20(不適)
a0=15,a1=23,a2=35,a3=53(適)
以上から、a0,a1,a2,a3 がすべて奇数であるような最小の自然数a0は15である。
#この解法では、(2)に対処できないので、別途の工夫が必要である。
(別解)(1) a0は奇数なので、a0=2m−1 (mは1以上の自然数) とおける。
このとき、a1=3m−1 が奇数なので、3m−1=2k−1 (kは1以上の自然数) とおける。
よって、3m=2k
また、a2=3k−1 が奇数なので、3k−1=2h−1 (hは1以上の自然数) とおける。
よって、3k=2h より、 9m=4h となる。
また、a3=3h−1 が奇数なので、3h−1=2p−1 (pは1以上の自然数) とおける。
よって、3h=2p より、 27m=8p となるので、mは8の倍数となる。
よって、a0,a1,a2,a3 がすべて奇数であるとき、 a0≧2・8−1=15 なので、
最小の自然数a0は、 a0=15 である。 (終)
(2) a0は奇数なので、a0=2m−1 (mは1以上の自然数) とおける。
(1)と同様にして、 3m=2k1 となるk1(k1は1以上の自然数)が存在する。
3k1=2k2 となるk2(k2は1以上の自然数)が存在する。このとき、9m=4k2
3k2=2k3 となるk3(k3は1以上の自然数)が存在する。このとき、27m=8k3
3k3=2k4 となるk4(k4は1以上の自然数)が存在する。このとき、81m=16k4
3k4=2k5 となるk5(k5は1以上の自然数)が存在する。このとき、243m=32k5
3k5=2k6 となるk6(k6は1以上の自然数)が存在する。このとき、729m=64k6
3k6=2k7 となるk7(k7は1以上の自然数)が存在する。このとき、2187m=128k7
3k7=2k8 となるk8(k8は1以上の自然数)が存在する。このとき、6561m=256k8
3k8=2k9 となるk9(k9は1以上の自然数)が存在する。このとき、19683m=512k9
3k9=2k10 となるk10(k10は1以上の自然数)が存在する。
このとき、59049m=1024k10 において、59049と1024は互いに素なので、
mは1024の倍数である。よって、a0≧2・1024−1=2047
以上から、a0,a1,a2,・・・ ,a10 がすべて奇数であるような最小の自然数a0は、
a0=2047 である。 (終)
(コメント) m=(2/3)k1=(2/3)2k2=・・・=(2/3)10k10 より、 310m=210k10
なので、mが、210=1024の倍数であることの証明が簡約できる。
漸化式の解法を意識すれば、次のような解答も可能だろう。
(別解) anが奇数のとき、 an+1=(3an+1)/2 なので、
an+1=(3/2)(an-1+1)
(1) a0,a1,a2,a3 がすべて奇数なので、 an+1=(3/2)(an-1+1) (n=1、2、3、4)
よって、 a4+1=(3/2)4(a0+1) より、 a0+1 は、24=16 の倍数となる。
したがって、a0,a1,a2,a3 がすべて奇数であるような最小の自然数a0は、a0=15
(2) a0,a1,a2,・・・ ,a10 がすべて奇数なので、
an+1=(3/2)(an-1+1) (n=1、2、3、・・・、11)
よって、 a11+1=(3/2)11(a0+1) より、 a0+1 は、211=2048 の倍数となる。
したがって、a0,a1,a2,・・・ ,a10 がすべて奇数であるような最小の自然数a0は、
a0=2047 (終)
以下、工事中!