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073 令和6年度前期  東京大学   文系 ・・・  微分積分(数学U)  標準

東京大学 前期文系(2024)

第1問 座標平面上で、放物線 C: y=ax2+bx+c が2点P(cosθ,sinθ)、
  Q(−cosθ,sinθ) を通り、点Pと点Qのそれぞれにおいて、円 x2+y2=1 と共通の接
  線を持っている。ただし、0°<θ<90°とする。

(1) a、b、c を s=sinθ を用いて表せ。

(2) 放物線Cと x 軸で囲まれた図形の面積Aをsを用いて表せ。

(3) A≧ を示せ。

(解)(1) 2点P、Qを、y=ax2+bx+c に代入して、

 acos2θ+bcosθ+c=sinθ 、acos2θ−bcosθ+c=sinθ

辺々引いて、 2bcosθ=0

0°<θ<90°より、 cosθ≠0 なので、 b=0

点Pにおける接線の傾きは、 2acosθ なので、 2acosθ・(sinθ/cosθ)=−1 より、

 a=−1/(2sinθ)=−1/(2s)

このとき、

 c=sinθ+cos2θ/(2sinθ)

 =(2sin2θ+cos2θ)/(2sinθ)=(sin2θ+1)/(2sinθ)=(s2+1)/(2s)

(2) 0°<θ<90°より、 0<sinθ<1 なので、 0<s<1

このとき、 放物線Cは上に凸の放物線で、

 y=(−1/(2s))x2+(s2+1)/(2s)=0 から、 x=±√(s2+1)

 A=(1/(2s))・(2√(s2+1))3/6=2(√(s2+1))3/(3s)

(3) A2−3=4(s2+1)3/(9s2)−3=(4(s2+1)3−27s2)/(9s2

ここで、

4(s2+1)3−27s2

=4s6+12s4+12s2+4−27s2=4s6+12s4−15s2+4=(s2+4)(2s2−1)2

なので、 A2−3=(s2+4)(2s2−1)2/(9s2)≧0

 したがって、 A≧ が成り立つ。

等号成立は、s=1/ 即ち、θ=45°より、P(1/,1/)、Q(−1/,1/

で、放物線 C: y=(−1/)x2+3/(2) のときに限る。


(コメント) 手頃な微積分の問題でした!



  以下、工事中!