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058 令和2年度前期  一橋大学   全学部 ・・・ 整数(数A・B)  やや難

一橋大学 前期(2020)

 次の問いに答えよ。

(1) 1010を2020で割った余りを求めよ。

(2) 100桁の正の整数で各位の数の和が2となるもののうち、2020で割り切れるものの
   個数を求めよ。

(解)(1) 2020×5=10100 なので、

     104=2020×5−100≡−100=−102 (mod 2020)

    よって、 108≡104≡−102 (mod 2020) より、

     1010≡−104≡102 (mod 2020) なので、求める余りは、100

(2) 100桁の正の整数をNとおく。

 ・N=2×1099 のとき、

 1099=(10424・103≡(−10224・103≡1046・103≡(10411・105
≡(−10211・(−102)・10≡1025≡(1046・10≡(−1026・10≡1013
≡(1043・10≡(−1023・10≡−107≡−104・103≡105≡−103

より、 N≡−2000 (mod 2020) なので、Nは2020で割り切れない。

 ・N=10・・・1・・・0 (最高位は1で、もう1個の1は最高位以外任意の位) のとき、

 2020=22・5・101=20×101 で、20と101が互いに素なので、

Nが2020で割り切れるための必要十分条件は、

  20 および 101 で割り切れることである。

 N=10・・・1・・・0が20で割り切れるのは、下2桁が00のとき

 その場合の数は、110・・・00から10・・・100までの 99−3+1=97(個)あり、

一般的に、 N=1099+10 (k=2、3、・・・、98) と書ける。

 N=(1099-k+1)10 において、Nが101で割り切れるのは、102と101が互いに素

であることから、1099-k+1 (k=2、3、・・・、98) が101で割り切れればよい。

 ここで、 1099-k+1≡0 (mod 101) より、 1099-k≡−1 (mod 101)

1097+1、1096+1、・・・、102+1、10+1 のうちで、この性質を満たすものは、

 102=100≡−1 (mod 101)
 103≡−10 (mod 101)
 104≡−102≡1 (mod 101)
 105≡10 (mod 101)
 106≡102≡−1 (mod 101)
 ・・・・・・・・・・・・・

より、 102+1、106+1、1010+1、・・・、1094+1 の 24個存在する。

 以上から、求める場合の数は、 24個  (終)