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042 | 平成28年度前期 | 東京工業大学 | 理系 | ・・・ | 整数問題(数A) | やや難 |
例年、東京工業大学の問題は心弱き受験生を圧倒するような迫力ある問題が多いが、今
年度は割りと取り組みやすい問題が多いように感じられる。
東京工業大学 前期理系(2016)
nを2以上の自然数とする。
(1) nが素数または4のとき、(n−1)!はnで割り切れないことを示せ。
(2) nが素数でなくかつ4でもないとき、(n−1)!はnで割り切れることを示せ。
(解)(1) n=4 のとき、 (n−1)!=3!=6 はn=4では割り切れない。
nが素数のとき、(n−1)!=(n−1)(n−2)・・・3・2・1 の各因数はnと互いに素で
ある。
よって、(n−1)!はnで割り切れない。
以上から、nが素数または4のとき、(n−1)!はnで割り切れない。
(2) nが素数でなくかつ4でもないとき、
n=ab (a、bは2以上の自然数でともに2になることはない)
と書ける。
a=b のとき、a≧3 で、a2≧3a>2a>a≧3 なので、a2−1、a2−2、・・・、3、2、1
の中に、2aとaが必ず含まれるので、(n−1)!=(a2−1)!はn=a2で割り切れる。
a≠b のとき、ab>a 、ab>b なので、ab−1、ab−2、・・・、3、2、1の中に、aとb
が必ず含まれるので、(n−1)!=(ab−1)!はn=abで割り切れる。 (終)