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040 平成28年度前期  名古屋大学   文系 ・・・ 整数問題(数A)  標準

 名古屋大学も東京大学・京都大学同様全体としては問題レベルは易化した模様。受験の
定番の微積の問題が出題されなかったのが少し寂しいかな。


名古屋大学 前期文系(2016)

 正の整数nに対して、その(1と自分自身も含めた)すべての正の約数の和をs(n)と書くこ
とにする。このとき、次の問に答えよ。

(1) kを正の整数、pを3以上の素数とするとき、s(2p)を求めよ。

(2) s(2016)を求めよ。

(3) 2016の正の約数nで、s(n)=2016となるものをすべて求めよ。


(解)(1) s(2p)=(1+2+22+・・・+2)(1+p)=(2k+1−1)(1+p)

(2) 2016=25・32・7 なので、

  s(2016)=(1+2+22+・・・+25)(1+3+32)(1+7)=63・13・8=6552

(3) 2016の正の約数nは、n=2・3・7 (a=0、1、・・・5、b=0、1、2、c=0、1)

  と書けるので、 s(n)=(2a+1−1){(3b+1−1)/2}(1+・・・+7) となる。

(イ) b=0、c=0 のとき、 s(n)=2a+1−1=2016 より、起こりえない。

(ロ) b=0、c=1 のとき、 s(n)=(2a+1−1)・8=2016 より、2a+1−1=252 とな
   り起こりえない。

(ハ) b=1、c=0 のとき、 s(n)=(2a+1−1)・4=2016 より、2a+1−1=504 とな
   り起こりえない。

(ニ) b=1、c=1 のとき、 s(n)=(2a+1−1)・4・8=2016 より、2a+1−1=63

   このとき、 2a+1=64 より、 a=5

(ホ) b=2、c=0 のとき、 s(n)=(2a+1−1)・13=2016 より、起こりえない。

(ヘ) b=2、c=1 のとき、 s(n)=(2a+1−1)・13・8=2016 より、起こりえない。

 以上から、s(n)=2016となるnは、 n=25・31・71=672  (終)


(コメント) 数学Aの教科書には必ず入っているような定型的な問題。受験生の方も取り組
      みやすかったのではないだろうか。