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036 平成27年度前期  東京大学   文系 ・・・ 図形と式(数U)  やや難

 今年度の東京大学の入試問題は全般的に難しかったと言われる。特に、文系がその傾向
だったように感じる。理系並みの数学の力が要求されているようだ。


東京大学 前期文系(2015)

 Lを座標平面上の原点を通り傾きが正の直線とする。さらに、以下の3条件(@)、(A)、
(B)で定まる円C1、C2を考える。

(@) 円C1、C2は2つの不等式 x≧0、y≧0 で定まる領域に含まれる。
(A) 円C1、C2は直線Lと同一点で接する。
(B) 円C1 は x 軸と点(1,0)で接し、円C2 はy軸と接する。

    

 円C1 の半径を r1 、円C2 の半径を r2 とする。 8r1 +9r2 が最小となるような直線Lの
方程式と、その最小値を求めよ。


(解) 題意より、中心C1(1,r1)、C2(r2,1) とおける。このとき、

  (1−r22+(t−r12=(r1+r22 より、 r2=(1−r1)/(1+r1) である。

 よって、 8r1 +9r2=8r1 +9(1−r1)/(1+r1)=(8r12−r1+9)/(1+r1

 ここで、1+r1=t とおくと、t≧1で、8r1 +9r2=8t+18/t−17

 相加平均と相乗平均の関係から、 8t+18/t≧2√(8×18)=24 で、

等号成立は、 8t=18/t すなわち、 t=3/2 のとき。

 このとき、 r1=1/2、r2=1/3 で、最小値は、7 である。

また、8r1 +9r2 が最小となるような直線Lの方程式Lは、C1(1,1/2)、C2(1/3,1)

を結ぶ直線に垂直なので、 L: y=4/3x である。  (終)


(コメント) 予備校等の分析では「やや難」であるが、標準的な良問であった。