戻る
033 平成26年度前期  大阪大学   理系 ・・・ 積分(数学V)  標準

 いつの間にか秋の気配の2014年夏。久しぶりに数学Vの積分に挑戦!問題レベルは
「標準」としたが、どこかしらで経験がありそうな問題なので、「やや易」かもしれない。


大阪大学 前期理系(2014)

 Σk=1〜40000 (1/√n) の整数部分を求めよ。


(解) n≦x≦n+1 において、 1/√(n+1)≦1/√x≦1/√n より、

積分して、 1/√(n+1)≦∫n+11/√x≦1/√n

 Σn=1〜39999n+1(1/√x)<Σn=1〜39999 1/√n より、

   ∫140000(1/√x)<Σn=1〜40000 1/√n−1/√(40000) なので、

           398+1/200<Σn=1〜40000 1/√n

 同様にして、 Σn=1〜39999 1/√(n+1)<Σn=1〜39999n+1(1/√x) より、

 Σn=2〜40000 1/√n<∫140000(1/√x) なので、 Σn=1〜40000 1/√n−1<398

           Σn=1〜40000 1/√n<399

 以上から、 398+1/200<Σn=1〜40000 1/√n<399 なので、

Σn=1〜40000 1/√nの整数部分は、398  (終)


(コメント) 積分を用いて値の評価をするあたり、数学Vらしい計算ですね!


 GAI さんからのコメントです。(平成26年8月31日付け)

 上記の問題の「40000」が気になったので、「Σk=1〜n (1/√k) の整数部分を求めよ。」に
ついて同じ論議を辿ってみました。

 2*(√n-1)+1/√n<Σk=1〜n (1/√k)<2*√n-1 にたどり着けるので、

 A=2*(√n-1)+1/√n 、B=Σk=1〜n (1/√k) 、C=2*√n-1

とおいて、n=10000、20000、30000、・・・・・、100000を調べてみました。それぞれのA;B;Cが

198.0100000000000000000000000;198.5446454495237465464854886;199.0000000000000000000000000
280.8497835424308752355817533;281.3858934849839644126522559;281.8427124746190097603377448
344.4159350164673549631343598;344.9526937482930662832343044;345.4101615137754587054892683
398.0050000000000000000000000;398.5421454859820798539805194;399.0000000000000000000000000
445.2180676359129388612275521;445.7554770553990722962350326;446.2135954999579392818347337
487.9020310395402582696204771;488.4396352864432945690324878;488.8979485566356196394568149
527.1540418576482103725952959;527.6917975242237888937813827;528.1502622129181181003231507
563.6889604831439522582974939;564.2268382055399751672747350;564.6854249492380195206754897
598.0033333333333333333333333;598.5413121563138699772455276;599.0000000000000000000000000
630.4586943113360347791107078;630.9967586623787480848262177;631.4555320336758663997787089

 これより、この議論からユニークに答えが決まるためには、nは平方数であることが条件で
あることが見えてきます。
(ちなみに、Σk=1〜100001(1/√k)=630.99992092・・・、Σk=1〜100002 (1/√k)=631.00308317・・・)

 「Σk=1〜n (1/√k)を求める一般式をラマヌジャンが求めた。」というメモをしていましたが、
どんな式であるかを書いていませんでした。どなたか御存知の方がおられましたら、お知らせ
下さい。

 さらに、この平方根の逆数には、1/1+1/√2+1/√3+・・・・・+1/√n+・・・-->∞ だが、

   1/1+(1/√2)^3+(1/√3)^3+・・・・・+(1/√n)^3+・・・-->2.61・・・

と収束する。つまり、一辺が1/√nの立方体の角砂糖が積み重ねられてゆくと、高さは∞に
なるが、全体の砂糖の体積は有限という摩訶不思議な世界が起きる。