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029 平成23年度前期  京都大学   理系 ・・・ 空間図形(数学A)  やや難

 京都大学らしい問題。受験知識+思考力が試される良問。知っている知識から地道にア
プローチする力が求められる。


京都大学 前期理系(2011)

 空間内に四面体ABCDを考える。このとき、4つの頂点 A、B、C、D を同時に通る球面が

存在することを示せ。



(解) △BCDの外心をKとし、Kを通り平面BCDに垂直な直線をLとする。

   このとき、L上の任意の点Pに対して、

     PB2=PK2+KB2 、PC2=PK2+KC2 、PD2=PK2+KD2

  が成り立つ。ここで、Kは△BCDの外心なので、 KB2=KC2=KD2 が成り立つ。

   よって、 PB=PC=PD でなければならない。

  次に、辺ABの中点Mを通り、ABに垂直な平面をαとする。

  このとき、平面αと直線Lは平行にならないので、交点Oが存在し、 OB=OC=OD

  さらに、 OA2=AM2+MO2 、OB2=BM2+MO2 において、AM=BM より、

 0A=OB が成り立つ。

 以上から、 0A=OB=OC=OD となり、点Oを中心とし、4つの頂点 A、 B、C、D を

同時に通る球面が存在する。  (終)


(コメント) 三角形の外心は、2辺の垂直2等分線の交点で定まる。その証明方法を反芻し、
      四面体の中心がどんな性質を持つかを考えれば、上記の証明が自然な流れであ
      ることが理解できるだろう。