017 | 平成21年度前期 | 東京工業大学 | 理系 | ・・・ | 整数問題(数学U) | 標準 |
東京工業大学の入試問題と言えば、整数問題が頻出ということで、今年度も出題された。
今年の問題は飛びきりに難しいレベルではなく、高校数学で学んだことを駆使すれば誰で
もが正解に達する良識的な良問であった。
東京工業大学 理系(2009)
Nを正の整数とする。2N以下の正の整数 m 、n からなる組( m , n )で
方程式 x2−nx+m=0 がN以上の実数解を持つようなものは何個あるか。
この問題では、解の分離問題、領域の知識が問われ、まず何を求めるのかを図示する
ことがポイントになるだろう。
(解) F(x)=x2−nx+m とおく。 軸の方程式は、 x=n/2 で、 n≦2N より、
x=n/2≦N である。
よって、方程式 x2−nx+m=0 がN以上の実数解を持つための必要十分条件は、
F(N)≦0 すなわち、 N2−nN+m≦0 である。
(イ) N=1 のとき、 m≦n−1 、1≦m≦2 、1≦n≦2 を満たす正の整数の組
( m , n )の個数を調べればよい。
条件を満たす組は、( m , n )=( 1 , 2 ) の1組のみである。
(ロ) N≧2 のとき、 m≦N・n−N2 、1≦m≦2N 、1≦n≦2N を満たす正の整
数の組( m , n )の個数を調べればよい。
左図において、条件を満たす組の
個数は、
N+2N+2N{2N−(N+2)}
=2N2−N
である。
この式は、N=1のときも成り立つ。
したがって、求める個数は、
2N2−N (個)
である。 (終)
(コメント) 平成21年2月28日現在で、河合塾、代ゼミはまだこの問題の解答を公表して
いないが、駿台に先を越されてしまった。昨日解答をアップすべきであったと後悔!
問題文では整数の組( m , n )となっているが、実際に数えるのは整数の組(
n , m )
の方。この方が簡潔に数えられる。駿台の方もそのように言及されている。
整数の組( n , m )とすべきところを、整数の組( m , n )としたのは出題者のイジワル
か、はたまた、「それぐらい気がつけヨ!」という叱咤激励なのだろうか?