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008 平成19年度前期 東京大学 理系 ・・・ 微分積分(数学V)  やや難

 東京大学の問題で、これほど「素直?」な問題を今まで見たことがない。図形を意識すれ
ば、容易に解法が導けるだろう。受験生レベルから見て「やや難」ということだが、もしかし
たら、問題レベルは一昔前と比べて「易」かもしれない。

 個人的には、(2)のような問題に心引かれる。


東京大学 理系(2007)

 以下の問いに答えよ。
(1) 0<x<a をみたす実数 x 、 a に対し、次を示せ。

              

(2) (1)を利用して、次を示せ。
                     0.68<log2<0.71

   ただし、log2 は、2 の自然対数を表す。


(解)(1)  0<a−x<a+x なので、
                          

      は、下図の黄色い部分の面積である。

         

  また、点( a , 1/a )における接線の方程式は、 y=(2a−t)/a2 で、

   t=a−x のとき、 y=(a+x)/a2>0

   t=a+x のとき、 y=(a−x)/a2>0

 以上から、2点 E 、 F は第1象限にある。

  このとき、図から明らかに、

           台形ABEFの面積 台形ABCDの面積

   ここで、 台形ABEFの面積=2x・(1/a)=2x/a

         台形ABCDの面積=(1/(a+x)+1/(a−x))・2x・(1/2)

                     =x(1/(a+x)+1/(a−x))

   以上から、(1)の不等式は成り立つ。

(2) 
    

   であることに注意して、 (1)より、

       

       

   よって、辺々加えて、    0.6857・・・<log2<0.7083・・・

  すなわち、   0.68<log2<0.71    が成り立つ。  (終)