不動点
席替えをして、また同じ席になった生徒に、「おや、不動点でしたね!」なんて言うと、生徒
に怪訝な顔をされる。世の中には、「不動点」なるものが方々に転がっている。同じ地図を2
枚用意し、1枚の地図を、もう1枚の地図に適当に重ねて置くと、地図上の同一点で丁度上
下に重なる点が存在するという。
東北大学 文系(1978)で、この不動点の問題が出題された。
問題 写像 F(x)=(2x+a)/(x+b) に対して、F(x)=x を満たす x があるとき、この x を
Fの不動点という。Fが、絶対値が等しく符号が反対な、2個の不動点をもつためには、
a、b がどのような条件を満たすことが必要十分であるか。
また、このとき y=F(x) と y=x のグラフの関係を図示せよ。
(解) 題意より、正の不動点をαとおくと、もう一つの不動点は、−αとなる。
(2α+a)/(α+b)=α より、 α2+(b−2)α−a=0
(−2α+a)/(−α+b)=−α より、 α2−(b−2)α−a=0
よって、 b=2 で、α2=a>0 である。
逆に、 b=2、a>0 のとき、
F(x)=(2x+a)/(x+2)=2+(a−4)/(x+2)
a=4 のとき、F(x)=2 となり、不動点を持たないから、 a≠4 である。
0<a<4、a>4 の何れにおいても、Fは題意を満たす不動点を持つ。(グラフは省略)
以上から、求める必要十分条件は、 b=2 、a>0 、a≠4 (終)
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