格子点                               戻る

 平成20年9月12日付けで当HPの掲示板「出会いの泉」に、HN「空港」さんが、次のよう
な問いかけをされた。中学1年で、このような問題意識を持たれていることに驚きました。

   ある本で、

  『 xy平面上において格子点を結んで出来る

  正N角形は、N=4、つまり、正方形のときに

  限る。』

  的なことが書いてあったんですが、これはど

  うやって説明できるのでしょうか?




 この問題に対して、当HPがいつもお世話になっているらすかるさんが明解に説明された。
(多少文言を補充させていただきました。)

N=4 のとき、明らかに正方形(正4角形)を作ることができる。

N=3 のとき、一辺の長さが a の正3角形の面積は、 2/4 で、a2 は有理数より、面

        積は必ず無理数となる。格子点を結ぶ多角形の面積は必ず有理数であるの

        で、これは矛盾である。

N=6 のとき、正6角形が作れるものとすると、頂点を一つおきにとって正3角形を作るこ

        とが出来る。しかるに、これは不可能である。

N=5、N≧7 のとき、正N角形が作れるものとして、頂点を2つ飛ばしで結ぶと、内側に頂

        点が格子点である正N角形を作ることができる。

  例えば、N=5 のとき、正5角形ABCDEにおいて、

  四角形ABA’Eは平行四辺形で、A、B、E が格子

 点であることから、A’も格子点である。

 同様にして、B’、C’、D’、E’も格子点である。

  このとき、5角形A’B’C’D’E’は格子点を頂点に

 持つ正5角形となる。

  この操作を続けると、正5角形ABCDEの内部に

 格子点を頂点に持つ、いくらでも小さい正5角形が

 作れることになる。しかるに、これは矛盾である。

      N=7 のときも作れないことは下図から明らかだろう。


  四角形ABA’Gが平行四辺形から、A’も格子点で

 あるので、N=5 の場合と同様にして示される。










      よって、N≧7 のとき、正N角形が作れるものとして、頂点を2つ飛ばしで結ぶと、

     内側に頂点が格子点である正N角形を作ることができる。この操作を続けることに

     より矛盾を得ることが出来る。

(コメント) 頂点を2つ飛ばしで考えると平行四辺形が出来るんですね!今まで経験のない
      証明の仕方でした。らすかるさんに感謝します。