ある数式                                  戻る

  当HPの掲示板「出会いの泉」に、平成23年4月17日付けで、k.nika さんから、「ある数
式について」と題して、次のような問題が提起された。

 a±(b2+b)=平方数 (a、bは非負整数) を満たす a と b には、どのような法則
が存在するのだろうか。


 この問いかけに対して、問題の意味を理解するために、いろいろ実験してみた。

 b=0 のとき、a±(b2+b)=平方数 より、a=平方数 より、a=0、1、4、9、・・・

 b=1 のとき、a±(b2+b)=平方数 より、a±2=平方数 より、a=平方数±2

   このとき、 a=2、3、6、7、11、・・・

 b=3 のとき、a±(b2+b)=平方数 より、a±12=平方数 より、a=平方数±12

   このとき、 a=4、12、13、16、21、・・・

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 無数にある組合せのうち、(a,b)= (1,0)、(2,1)、(10,2)、(13,3)、・・・ に注目
して、数列
        1,2,10,13,・・・
が得られる。

 オンライン整数列大辞典で検索すると、「A062317」にその数列がある。

 1, 2, 10, 13, 29, 34, 58, 65, 97, 106, 146, 157, 205, 218, 274, 289, ・・・

 b=12 のとき、a=205 で、205±(122+12)=205±156=361,49=192,72

 上記の計算から確かに条件式を満たしている。

(コメント) 無数にある組合せのうち、何故 (a,b)= (1,0)、(2,1)、(10,2)、・・・ 
      に注目したのか定かでないが、「A062317」に遭遇したのは偶然の産物ですね!


 k.nika さんからのコメントです。(平成23年4月18日付け)

 ある 4n−1 型巨大合成数があり(たとえば、300桁以上でも)、

   n+(b2+b)=c2    ( n、b、c :非負整数)

とし、n と b の値が分かるならば、素因数分解が出来るのですが...。

ちなみに(平成23年4月19日付け)

RSA-200 = 27997833911221327870829467638722601621070446786955428537560009929
       326128400107609345671052955360856061822351910951365788637105954482
       006576775098580557613579098734950144178863178946295187237869221823
       983
では

 (RSA-200)=4n−1 として、 n+(b2+b)=c2 とすると、

n=699945847 7805331967 7073669096 8065040526 7611696738 8571343900 0248233153
  2100026902 3364177632 3884021401 5455587977 7378414471 5927648862 0501644193
  7746451394 0339477468 3737536044 7157947365 7379680946 7305455996

b=1098352005 0188907280 1862021582 0398829766 6946142916 4873427125 6718169911
  6547846822 3383071533 7053024279

c=2864582972 2202757886 5492270491 9631014102 2933143904 6124609590 8452557972
  2816243938 3385998931 5317068454

となる。(→ 参考: http://en.wikipedia.org/wiki/RSA_Factoring_Challenge


 これに対して、当HPがいつもお世話になっているHN「らすかる」さんからのコメントです。
                                      (平成23年4月19日付け)

  n+(b2+b)=c2 は、 b=n−1 、c=n とおけば、常に成り立ちますね。


 k.nika さんからのコメントです。(平成23年4月20日付け)

 なるほど、確かにそうですね。後は、n と b との組み合わせは1組だけなのか、それとも
何組か存在するのでしょうか?今後の研究課題です。

 話は変わりますが、次の様なものも考えてみました。

 A=2a+1 、B=2b+1 、C=AB     (a、b は非負整数で、A>B)

とする。このとき、 (A+B)/2、(A−B)/2 はともに整数で、

  {(A+B)/2}2−{(A−B)/2}2=AB=C

から、Cは、二つの平方差で表す事が出来る。そこで、 C=D2−E2 とすると、

  D=(A+B)/2=(A2+AB)/(2A)=(A2+C)/(2A)

  E=(A−B)/2=(A2−AB)/(2A)=(A2−C)/(2A)

と表す事が出来る。

例 85=17・5=112−62 より、

    11=(172+85)/(2・17) 、6=(172−85)/(2・17)

例 189=21・9=152−62 より、

    15=(212+189)/(2・21) 、6=(212−189)/(2・21)

 Bの数を使わずに、AとCのみで、2つの平方差が作れるのが面白いと思いました。


 同様にして、

  D=(A+B)/2=(AB+B2)/(2B)=(C+B2)/(2B)

  E=(A−B)/2=(AB−B2)/(2B)=(C−B2)/(2B)

とも表す事が出来る。

例 85=17・5=112−62 より、

    11=(85+52)/(2・5) 、6=(85−52)/(2・5)

例 189=21・9=152−62 より、

    15=(189+92)/(2・9) 、6=(189−92)/(2・9)


    以下工事中