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 この曲線は、デカルトの正葉線といわれ、漸近線を有する。

 方程式 の媒介変数表示をいろいろ工夫して求めてみよう。
(単純に、 と置いては失敗する!)

いま、与えられた方程式を次のように変形する。

 すなわち、

ここで、 と置き、さらに y を消去して、次のような2次方程式を得る。

         

これを、解の公式を用いて解けば、

     

     

という媒介変数表示を得ることができる。

x が+、y が− の組合せでは、y≦x の部分が、x が−、y が+ の組合せでは、y≧x
の部分が表示される。

 上の描画に用いたソフト(数研出版:WebMATH-ter)は、陰関数表示に対応していないの
で、やむなく上のような媒介変数表示を求めざるをえなかった。他の描画ソフト(例えば、フ
リーソフトのGRAPES)では、陰関数にも対応しているので、描画については問題がない。

 また、上の媒介変数表示はあまり美しくない。デカルトの正葉線については、次のような
美しい媒介変数表示が知られている。(この場合は上のように別々に表示されることもない)

     

この媒介変数表示は、方程式に y=tx を代入することにより、簡単に求められる。


(追記) 平成18年8月18日付け

 当HPの掲示板「出会いの泉」に、8月17日付けで「やまこ」さんという方が、

  正葉線の「美しい媒介変数表示」をソフトウェアで描かせてみたところ、うまくできなかっ
 た。(自分自身と交わる様子が見えない。) (0,0)を実現するのが、t=0と+∞であるこ
 とが原因と思われる。こういう場合、コンピュータにうまく描かせることは困難だろうか?


と書き込まれた。

 この書き込みに対して、当HPがいつもお世話になっている、らすかるさんが、ある方策を
与えてくれた。

 その方策にしたがって、再度、正葉線を描画させようと思う。

例   を、「Windowsでみる関数グラフィックス」で描画させると

     

となるが、原点付近が少し曖昧で心許ない。この心許なさは、媒介変数表示

      

で描画させると、さらに深刻度を増す。グラフ描画に支障が出るようだ。

     

 この困難さを克服するためには、らすかるさんによれば、

       

と変数変換するといいとのことである。

 実際に代入すると、媒介変数表示は、

    

となる。

 この媒介変数表示を、「Windowsでみる関数グラフィックス」で描画させると、

    

となり、原点付近もしっかり描画されているように感じる。原点付近は、



のような雰囲気である。

 ちょっとした変数変換で、こんなに変わるものかと驚いた。らすかるさんに感謝いたします。