円のある性質                             戻る

 新学習指導要領では、円の性質の面白い部分がほとんど中学3年から高校1年に移行
してしまった。

 今回は、中学の数学の範囲で成り立つことが示される、次の面白い性質を紹介したい。

    左図のような半径 R の円がある。

   円内の任意の点Pにおいて、直交する2直線を引き、

   円周との交点をそれぞれ、A、B、C、D とする。

    このとき、次の等式が成り立つ。

   PA2+PB2+PC2+PD2=(2R)2

 証明は、次のようなものが知られている。

   CDに平行に、線分AEを引く。このとき、∠BAE=90°

  なので、線分BEは直径となる。よって、∠BCE=90°

  また、CD、AEは、円の平行な弦なので、四角形ADCE

  は、等脚台形で、AD=CE が成り立つ。

  従って、  PA2+PB2+PC2+PD2

       =(PA2+PD2)+(PB2+PC2

       =AD2+BC2

       =CE2+BC2

       =BE2

       =(2R)2

  となり、等式は成り立つ。

(参考文献 : ピーター・フランクル 著 数学問題集 1 (日本評論社))