最大の正三角形
1辺の長さが6の正三角形ABCに外接する正三角形DEFを考える。
正三角形DEFの面積が最大になるとき、角θは何度だろうか? これは中学生レベルの
手頃な初等幾何の問題だろう。
上図のように弦ABに対する円周角は常に一定(60度)であるので、点Dは円周上を動く。
△ABDの面積が最大になるのは、PA=PB の場合である。よって、△ABPは正三角形
となり、θ=60°である。
上記の考え方は、数学Uの「図形と方程式」や数学Aの「平面幾何」でも学ぶ。
この場合、△ABDのみを考え、他を考えていないのは、△ABCが正三角形という特殊な
場合ゆえ許されることである。
ここで、△ABCがより一般的な場合に備えて、それに見あった解法を示しておこう。
左図において、 ∠BAD=θ、∠ADB=60°から ∠ABD=120°−θ となる。 よって、△ABDにおいて、正弦定理により、 となる。 同様にして、∠ACF=θ であるので、 |
よって、
DF=4(sinθ+sin(120°−θ))=4×2sin60°cos(θ−60°)=12cos(θ−60°)
0°≦θ≦180°であるので、DFは、θ−60°=0° 即ち、θ=60°のとき、最大となる。
このとき、△DEFの面積も最大となる。
読者のために、練習問題を残しておこう。
問題 頂角が30°の2等辺三角形に外接する正三角形のうち面積が最大となるときの1辺の
長さを求めよ。ただし、等辺の長さは、6とする。
答えは、 4 。 皆さん、できましたか?