方程式の可解性
方程式が可解かどうかは解の集合の範囲で定まるが、一般に、「複素数全体」としておけ
ば、解の集合に惑わされずに済むことはよく知られている。
この意味で、1次方程式 ax+b=0 は、常に、解 x=−b/a
を持つ。
2次方程式 ax2+bx+c=0 についても、解の公式
を用いれば、必ず、複素数の範囲に解を持つことが分かる。
解の公式を使って2次方程式を解く場合、文字 a、b、c に数値を当てはめて解かせるに
は解かせるのだが
(1) まず、判別式 D=b2−4ac を計算させ、その後、徐に
(2) を求め、その結果から、
(3) 解 x
を、 (−b±)/2a で導出する。
という流れで、指導する方がいられるかもしれない。
(1)により、一番煩わしい計算
b2−4ac
を手早く済ませ、さらに、実数解を持つかどうか
も瞬時に分かるこの計算手順は、私自身、一番好ましい方法だと常々思っていた。
この手順はガロア理論と大いに関係があるということが、次の書籍に示されている。
小島寛之 著 天才ガロアの発想力 (技術評論社)
2次方程式 ax2+bx+c=0 の2つの解を、α、β
とおくと、
解と係数の関係から、 α+β=−b/a 、 αβ=c/a が成り立つ。
このとき、 判別式 D=a2(α−β)2 より、 α−β=±/a なので、
2α=−b/a±/a=(−b±)/a
より、 α=(−b±)/2a と解の公式が導かれる。
解の公式があるかどうかは、解と係数の関係と判別式が大いに関係していることが伺える。
以下、工事中