代数学序論                    戻る

  [目 次]   1.群とその性質
          2.
          3.
          4.
          5.
          6.
          7.

 今まで数学を勉強してきて、「はっ!」と感じるときが度々あったが、とりわけ印象的なのは、
高校1・2年生の頃に味わった問題を解く楽しさ、大学3年で学んだ抽象代数の理論的な流
れを感じ取る楽しさであろうか。当時は見るもの聞くもの全てが新鮮で、感動があった。
 高校に入ってしばらくは、数学は一つの授業科目であり特別な思い入れはなかったが、週
に7時間も数学の授業があり問題練習に備えるため、ただ何も考えずにがむしゃらに問題
を解く日々が続いた。気が付いたら、問題が解けた喜び以上に、問題を解く過程の試行錯
誤の楽しさに浸る自分がいた。これは中学校時代には得られなかったことだ。
 大学の教養課程は、ほとんど高校の延長のようなもので、特別な難しさは感じられなかっ
たが、大学3年で学んだ抽象代数は事情が違った。これまでに経験していないような論理の
大波が襲ってきたように感じた。そのため講義ノートをとるのが精一杯で、深い理解を得る
までは至らなかった。危機感を感じて、その年の夏は、抽象代数の理解に没頭した。夏休
みが終わる頃、理論の仕組みがおぼろげに見えてきた。これは、問題を解く過程で試行錯
誤をし、何とか解法の糸口が見えてきた感じに似ている。数学に対して希望の灯が見えて
きたからなのか、その頃、なぜか「ほっ!」としたことを今でも覚えている。
 その当時学んだことをもう一度振り返り、今生きている視点で見直したら、また別な感慨
が得られるものと思い、このページをおこすことにした。
 当HPを閲覧されている方は、老若男女様々である。その一人一人について、このページ
の感じ方は違うものとなるであろう。それぞれの方に何かしらの思いが伝われば幸いである。

 予備知識としては、高校3年程度の数学の知識を想定して書こうと思う。学校数学を離れ
て、伸び伸びした気分で抽象代数学の初歩を眺めてみたい。学校数学に物足りなさを感じ
ている高校生にとって、一撃の刺激になればと思う。