水の汲み取り                                戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「らすかる」さんからの出題です。
                                       (平成25年1月7日付け)

 昔考えた自作のクイズです。

 容積240ccの四角い枡一つで水200ccを量りとるにはどうすればよいか。ただし、枡に水を
注いだり枡の水をこぼしたりは自由に出来るが、他に使える容器はないものとする。

※「水200ccを量りとる」とは、最終的に枡に200ccの水が入っている状態にするという意味
 です。

































(答) 当HP読者のHN「V」さんが考察されました。(平成25年1月7日付け)

 水だけ200cc入れる方法は、今のところ見つかりません。下記の方法でどうでしょうか?

 水以外の液体を40cc入れた後で水を入れる。40ccは240*(1/6)ですから、底の一つの角
を頂点とする三角錐部分(うまく表現できてないですが)の体積=40ccとなります。

 最初は、水を凍らせようと思いましたが、後から入れた水の一部も凍るかもしれないので
ダメです。


 らすかるさんからのコメントです。(平成25年1月7日付け)

 水以外のものを入れるのは反則です。水の表面張力や人間が量る誤差を無視すれば、
水道と枡だけで実際に(常温で)量りとれます。


 GAI さんが考察されました。(平成25年1月8日付け)

 水の比重は、27℃で比重0.99662ということなので、4℃の時と比べて1%も違いません。よっ
て、1cc=1g と判断してもよい。

 そこで、枡を台ばかりの上にのせ、目盛りをゼロにセットしてから、静かに水を注ぎ入れて
いく。目盛りが200gになったらピタリと注ぐのを止める。

 枡の中にはピタリ200ccの水が入っている。
 (らすかるさんが敢えて計るを量るの漢字で表現されていたのがヒントでした。


 らすかるさんからのコメントです。(平成25年1月8日付け)

 台秤を使うのも反則です。水道と枡1個以外の器具を使うことは許されません。(もちろん、
「人間の勘で」などもダメです。)

 細かく条件を書くと、それがヒントになってしまいますので、それを伏せて「クイズ」としてい
ますが、真面目な数学の問題です。

 「量」という漢字については、PCでの変換時に、

    量る:(重さ、容積を)計量
    測る:(長さ、面積を)測定、測量
    計る:(数、時間を)計算、計画

というヒントが表示されましたので、この問題には「量」が最適と判断しました。

 また、枡ですので、目盛りもありません。


 空舟さん考察されました。(平成25年1月8日付け)

 木製の升なら濡れた線ができる気がしたので(実物がないので分かりませんが)、それを
使った方法を考えました

 升を直方体ABCD−EFGHと表記します。EFGHが底面になります。

   ・平面ABGHが水面になるまで水を入れる
     →平らにする→CGの中点M、DHの中点Nが作図される

   ・平面ABMNが水面になるまで水を入れて捨てる
     →線分AN,BMが作図される

   ・平面CDEFが水面になるまで水を入れて捨てる
     →DEとANの交点P、CFとBMの交点Qが作図される。

   ・P,Qは高さ2/3の位置にある。ここまで水を入れる。
     →平らにする→Pを通ってADに平行な水面線Lが作図される。

   ・Lと辺BCを含む平面が水面となるまで水を入れる
     →これで5/6になるはず


 らすかるさんからのコメントです。(平成25年1月8日付け)

 残念ながら、枡は超撥水コーティングがされています(笑)。濡れた線も使えないと考えて下
さい。


 空舟さん考察されました。(平成25年1月8日付け)

 超撥水コーティング・・・ちょっと改良して、水の跡ではなく、水面をじっと見つづけるること
による方法を考えました。(結構集中力が要求されそうです...)

 側面ABFEを左、側面CDHGを右、と呼ぶことにします。

 水を例の三角錐の方法で水量1/6まで入れて升を右に傾けて、水面の左側がちょうど底
辺EFと一致するようにする。右側の水面は、高さ1/3の所に来る。(その線をPとします)

 水を少しずつ、あふれるまで加える。その時に、升を少しずつ左に傾けて、右側の水面が
線Pから動かないようにする。(これで水量が2/3になります)

 升をまっすぐにする。再び水をあふれるまで加えながら、升を少しずつ左に傾けて、右側
の水面が2/3の高さから動かないようにする。(これで水量が5/6になるはず)


 らすかるさんからのコメントです。(平成25年1月8日付け)

 かなり惜しいです。途中まで読んで正解かと思いました。正解ではそんなに集中力はいり
ませんし、もっと現実的です。あとほんの少し考えればわかると思います。


 空舟さんからのコメントです。(平成25年1月8日付け)

 あ、わかったです。

 水を例の三角錐の方法で水量1/6まで入れて升を右に傾けて、水面の左側がちょうど底
辺EFと一致するようにする。右側の水面は、高さ1/3の所に来る

 このあと、升を傾きが変わらないようにしっかり持ち、水をあふれるまで入れれば良いで
すね!

        


 らすかるさんからのコメントです。(平成25年1月8日付け)

 正解です!丁寧に注げば、多分一滴もこぼさずに200ccが量れますね。


 GAI さんからのコメントです。(平成25年1月8日付け)

 このパズルに対する皆さんのアプローチを見ていて、とても面白かったです。空舟さんが
いち早く正解に辿り着かれましたが、このパズルにおけるアイデアの1/6が残るから1/6を
捨てるの着想の一瞬の役割りの変身に(5/6=1-1/6)、昔やってたテレビ番組刑事コロン
ボの大団円を見る思いでした。

 このパズルは色々なことを教えてくれます。水が万物の器に従うように数もいろいろな形
に置き直していける。一度手に入れた数量は全く別の意味を持つ役割を受け持てる。出来
るんだという保証があれば、諦めずに考え続ける力が続く。
(逆に言えば、保証がとれていないものは考え続けることが難しいのかも・・・)等々。

 とても楽しめたパズルありがとうございました。ぜひ皆さんも御存知のトピックスを紹介して
下さい。


(コメント) 1/6を抜くという発想に感動しました!らすかるさんと空舟さんに感謝します。