体積の計算                               戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
                                      (平成24年7月27日付け)

  半径17cmの球を平面に切った形の容器に水が入れてある。これに半径8cmの鉄球を沈
めたところ、水面はちょうど鉄球の面とすれすれになった。初めの水の深さはいくらか。






































(答) 球の中心から a だけ離れたところに元の水面があったとすると、題意より、

    a3−867a+2914=0

  が成り立つ。「Wolfram|Alpha」に挿入して、a=(31−3√65)/2 を得る。

  (大体、a=3.40661337755218・・・ )


 よおすけさんから解答を頂きました。(平成24年7月28日付け)

 この問題は、旺文社の高校数学解法事典に載っていた問題の改題です。その事典では、
整式の積分で求めていましたので、それにならって書きます。

 座標平面上で、球の中心を原点とし、これを含む鉛直面による切り口をつくる。容器及び
鉄球の切り口の円はそれぞれ以下の通りである。

  x2+y2=172 、x2+(y+9)2=82

よって、水の容積をVcm3とすると、

  V=π∫-1-17 {(172-y2)-{82-(y+9)2}}dy=π∫-1-17 (18y+306)dy=2304π・・・(1)

また、初めに、水が容積のy座標のaのところまであったとすると、

  V=∫-17 (172-y2)dy=π(289a-(a3/3)+(9826/3))・・・(2)

 (1)、(2)より、 289a-(a3/3)+(9826/3)=2304 なので、 a3-867a-2914=0

 ここで、 2914=2×31×47 より、P(a)=a3-867a-2914 とおくと、P(a)=0 になる a の値は

 a=1 のとき、P(1)=-3780 、a=2 のとき、P(2)=-4640 、a=31 のとき、P(31)=0

 a=47 のとき、P(47)=60160

であるから、a の値の1つは31。すなわち、P(a)は、a-31で割り切れるので、因数分解すれ

ば、P(a)=a3-867a-2914=(a-31)(a2+31a+94) となるので、方程式は、(a-31)(a2+31a+94)=0

 よって、 a=31、(-31±3√65)/2

 ここで、-17<a<17 より、a=31は不適で、√65≒8.062より、a=(-31+3√65)/2は適するが、

a=(-31-3√65)/2は不適。 よって、a=(-31+3√65)/2 が求める値となる。

 したがって、初めの水の深さは、{(-31+3√65)/2}-(-17)=3(1+√65)/2 (cm)

(注: 3(1+√65)/2≒13.593)


(コメント) a3−867a+2914=0 の因数分解を「Wolfram|Alpha」に依存してしまいまし
      た。a=31を発見するのは、手計算では大変と思ったもので...f(^^;) 。