ベクトルと正三角形
当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
(令和2年6月16日付け)
正三角形ABCがある。点Oを直線ABに関してCと反対側にとって、∠AOB=60°となるよう
にし、ベクトルOA、OB、OCをそれぞれa、b、cで表す。
このとき、 c={|b|/|a|}a+{|a|/|b|}b であることを証明せよ。
(出典):京都大学前期理系(1973)
(答え) O(0,0)、A(2a,0)、B(2b,2b)とおく。
このとき、 AB=(2b−2a,2b) で、点Aの周りに−60°回転させると、
AC=(4b−a,a) なので、 C(a+4b,
a)
そこで、 c=ma+nb とおくと、a、b は互いに一次独立で、
2am+2bn=a+4b 、2√3nb=a
これらを解いて、 n=a/(2b) 、m=2b/a
ここで、 |a|=2a、|b|=4b なので、 n=|a|/|b| 、m=|b|/|a|
よって、 c=(|b|/|a|)a+(|a|/|b|)b (終)
S(H)さんからのコメントです。(令和2年6月16日付け)
都合上添字を付けて、 A1=(0,1)、B1=(-/2),-1/2)、C1=(
/2,-1/2)とすると、
問のOは、 O1=(-,1) で、四角形O1B1C1A1はひし形となり、
C1-O1=(A1-O1)+(B1-O1) すなわち、 c=a+b
ここで、 |a|=|b|= なので、 c=(|b|/|a|)a+(|a|/|b|)b が言える。(Q.E.D.)
(コメント) 特殊な場合に限定しての(Q.E.D.)ですね。
PBさんからのコメントです。(令和2年6月19日付け)
次のような別解を考えました。
直線ABに関して、Cと対称な点Dをとる。△ABDは△ABCと合同な正三角形であり、OとD
が一致するとき、|a|=|b|より与式は成り立つ。(← S(H)さんの解答と同趣旨)
よって、Oは直線BDに関してAと反対側にあるとして一般性を失わない。
四角形ADOBは円に内接し、AO上にEO=DO(=r とする)となる点Eを取れば、△EDOも正
三角形であるから、 △EAD≡△OBD
よって、 AE=BO なので、 r=|a|−|b| が成り立つ.
さらに、a、b と平行な単位ベクトル{1/|a|}a、{1/|b|}b を用いて、
OD=OE+ED={r/|a|}a−{r/|b|}b であるから
c=OD+(DA+DB)=OD+(OA−OD)+(OB−OD)=OA+OB−OD
=a+b−{r/|a|}a+{r/|b|}b={1−r/|a|}a+{1+r/|b|}b={|b|/|a|}a+{|a|/|b|}b
(証明終)
(コメント) PBさん、いつも斬新な解答ありがとうございます。