正接の2乗の和                              戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
                                       (令和3年11月1日付け)

 次の等式が成り立つように、Aに、1〜9のいずれかを入れよ。ただし、右辺のAAは、2桁
の整数を表し、同じ文字Aには同じ数が入る。

  Σk=1A tan2 (2k-1π/9)=AA





































(答え) 計算が大変そうですね!

 WolframAlpha先生のお力をお借りして、A=3、6、9 が分かりました。

 WolframAlpha先生に、おんぶに抱っこでは申し訳ないので、A=3 の場合

 tan2 (π/9)+tan2 (2π/9)+tan2 (4π/9) の値を手計算で求めてみました。

 まず、半角の公式により、 tan2θ=sin2θ/cos2θ=(1−cos2θ)/(1+cos2θ)

さらに、3倍角の公式より、 cos3τ=4cos3τ−3cosτ

 τ=2π/9 のとき、 3τ=2π/3 なので、 cos3τ=−1/2

 τ=4π/9 のとき、 3τ=4π/3 なので、 cos3τ=−1/2

 τ=8π/9 のとき、 3τ=8π/3 なので、 cos3τ=−1/2

 よって、 cosτ=t とおくと、3次方程式 4t3−t=−1/2 の3つの解が、

 t1=cos(2π/9) 、t2=cos(4π/9) 、t3=cos(8π/9)

で与えられることを示す。

 θ=π/9 のとき、 tan2 (π/9)=(1−t1)/(1+t1)=y1 とおく。

 θ=2π/9 のとき、 tan2 (2π/9)=(1−t2)/(1+t2)=y2 とおく。

 θ=4π/9 のとき、 tan2 (4π/9)=(1−t3)/(1+t3)=y3 とおく。

 (1−t1)/(1+t1)=y1 から、 t1=(1−y1)/(1+y1) で、 4t13−t1=−1/2 に

代入して整理すると、 y13−33y12+27y1−3=0 となる。

同様にして、 y23−33y22+27y2−3=0

        y33−33y32+27y3−3=0

すなわち、y1、y2、y3 は、3次方程式 y3−33y2+27y−3=0 の3つの解なので、

解と係数の関係より、 tan2 (π/9)+tan2 (2π/9)+tan2 (4π/9)=y1+y2+y3=33

である。

 また、 tan2 (8π/9)=tan2 (π+π/9)=tan2 (π/9)

 tan2 (16π/9)=tan2 (2π−2π/9)=tan2 (2π/9)

 tan2 (32π/9)=tan2 (4π−4π/9)=tan2 (4π/9)

なので、

tan2 (π/9)+tan2 (2π/9)+tan2 (4π/9)+tan2 (8π/9)
                                +tan2 (16π/9)+tan2 (32π/9)

=2(tan2 (π/9)+tan2 (2π/9)+tan2 (4π/9))=2×33=66

 同様にして、

tan2 (π/9)+tan2 (2π/9)+tan2 (4π/9)+tan2 (8π/9)+tan2 (16π/9)
         +tan2 (32π/9)+tan2 (64π/9)+tan2 (128π/9)+tan2 (256π/9)

=3(tan2 (π/9)+tan2 (2π/9)+tan2 (4π/9))=3×33=99

である。

 以上から、 Σk=13 tan2 (2k-1π/9)=33 、Σk=16 tan2 (2k-1π/9)=66

        Σk=19 tan2 (2k-1π/9)=99

が成り立つ。


(コメント) A=3のときと、A=6、9のときは処理の仕方が全く違うんですね!実際に計算
      してみて、それが体感出来ました。