式の値
当HPがいつもお世話になっているHN「空舟」さんからの出題です。
(平成25年2月19日付け)
適当に見かけた問題です。数学Uの問題です。
2次方程式 (x−a)(x−b)+(x−b)(x−c)+(x−c)(x−a)=0 の2つの解をα、βとすると
き、次の式の値を求めよ。
1/(a−α)(a−β)+1/(b−α)(b−β)+1/(c−α)(c−β)
α,βは三次関数 y=(x-a)(x-b)(x-c) の極値を与えるxですが、それはこの問題にはあま
り利用できなさそうに見えます...。
(答) よおすけさんが考察されました。(平成25年2月19日付け)
この2次方程式を整理すると、 3x2-2(a+b+c)x+(ab+bc+ca)=0
解と係数との関係より、 α+β=2(a+b+c)/3 、αβ=(ab+bc+ca)/3
まず、 (a-α)(a-β)=a2-(α+β)a+αβ
=a2-{2(a+b+c)/3}a+{(ab+bc+ca)/3}=(a2-ab+bc-ca)/3=-{(a-b)(c-a)/3}
よって、 1/{(a-α)(a-β)}=-3/{(a-b)(c-a)}・・・(1)
1/{(b-α)(b-β)}、1/{(c-α)(c-β)}もそれぞれ同じようにして、
-3/{(a-b)(b-c)}・・・・(2) 、-3/{(b-c)(c-a)}・・・・(3)
(1)+(2)+(3)をあわせて、 与式=-3{(a-b)+(b-c)+(c-a)}/{(a-b)(b-c)(c-a)}=0
空舟さんからのコメントです。(平成25年2月19日付け)
回答ありがとうございます。よおすけさんの解法を見て、それからいろいろ考えてやっと思
いついたのですが
f(x)=(x-a)(x-b)+(x-b)(x-c)+(x-c)(x-a) 、f(x)=3(x-α)(x-β) の両者に、例えば、
x=a を代入することで、3(a-α)(a-β) = (a-b)(a-c) を得ます。この結果は3次関数の性質
として書くと、
3次関数 y=(x-a)(x-b)(x-c) について、 1/y’(a) + 1/y’(b) + 1/y’(c)
= 0
が成り立つ、ということになるみたいです。
(※) 参考資料との関連は結びつくかと考えてみたりするけれども...。
「シュタイナー楕円」において、∠ALU=∠VLBを示す長い計算は、先のように
f(x)=(x-a)(x-b)+(x-b)(x-c)+(x-c)(x-a) 、f(x)=3(x-α)(x-β)
これらに x= (a+b)/2 を代入することで
f((a+b)/2) = {(a+b)/2-a}{(a+b)/2-b} 、f((a+b)/2) = 3{(a+b)/2-α}{(a+b)/2-β}
を得る。これより、
分子=f((a+b)/2)/3 、分母=f((a+b)/2)
とすぐに 1/3 を得られることに気が付きました。
S(H)さんからのコメントです。(平成25年2月20日付け)
a、b、c をガウス平面上の易しい3点と具現化;a=3 + 3*I、b=-3、c=1
- 2*I し、
1/(a−α)(a−β)+1/(b−α)(b−β)+1/(c−α)(c−β) = 0 となる。