面白等式                                  戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんからの出題です。
                                       (平成26年11月6日付け)

 次の等式を満たす異なる自然数の組{x1,x2,x3,x4,x5,x6,x7,x8}を発見して下さい。

  Σk=1〜64 k/8=Σk=1〜8 x

  Σk=1〜642/8=Σk=1〜8 x2

  Σk=1〜643/8=Σk=1〜8 x3

































(答) らすかるさんが考察されました。(平成26年11月6日付け)

 {1,14,27,32,33,38,51,64}など、条件を満たす解は、121組ありました。(→ 解一覧


 GAI さんからのコメントです。(平成26年11月7日付け)

 たくさんの組合せが存在しているんですね。私は、この中の一つ: 1,19,23,24,36,42,53,62
をメモしていたので、これを発見してもらおうと出題していました。

 自分も改めて全検索プログラムを組んで出してみましたら(変数8個の範囲をどう取るのか
が悩みました)長時間の検索の上同じ組合せを出してくれました。

 そこで、この121組をV1〜V121のベクトルに組んで、

  V1〜V13 (先頭に1を含む)、V14〜V26(先頭に2を含む)、V27〜V45(先頭に3を含む)
  V46〜V56(先頭に4を含む)、V57〜V74(先頭に5を含む)、V75〜V90(先頭に6を含む)
  V91〜V99(先頭に7を含む)、V100〜V121(残り全部)

の8つのグループに分けて、それぞれから代表を一つずつ選んで全部の代表で1〜64が揃
うものが取れるか一晩中検索しましたが一つも存在できませんでした。

 もし存在していたら8×8のトリプル魔方陣(通常、平方、立方)を構成できる材料が見つか
ると思ったのですが残念。


 DD++さんからのコメントです。(平成26年11月8日付け)

 6と7を両方含む解がある以上、それだと全検できていないような気がします。それよりも私
が不思議に思ったのは、解が121個もありながら、65以上にはみ出す解が1つもないこと。

 一般化して、任意のn∈Nについて、 x1<x2<・・・<xn 、n2<xn で、

  Σk=1〜n2 k/n=Σk=1〜n x

  Σk=1〜n22/n=Σk=1〜n x2

  Σk=1〜n23/n=Σk=1〜n x3

を満たすn個の自然数の組は存在しない

は、果たして真なのでしょうか?あるいは、2乗までしか成立を要請しなかった場合、4乗以
上まで要請した場合は?

 らすかるさんからのコメントです。(平成26年11月9日付け)

 関係あるかどうかわかりませんが、私はこの解を見ていて、32.5を中心として対称となっ
ている解、すなわち、x1+x8=x2+x7=x3+x6=x4+x5=65となっている解が非常に多いという点
に興味を感じました。


 DD++さんからのコメントです。(平成26年11月9日付け)

 私はいつも通り手で挑んでいたのですが、2乗までの要請なら簡単にたくさんの解を見つ
けることができました。そのときの発想から、その性質は容易に理解できます。というのは、

  Σk=0〜63 k/64=Σk=1〜8 x/8

  Σk=0〜632/64=Σk=1〜8 x2/8

  Σk=0〜633/64=Σk=1〜8 x3/8  (xは0以上の整数)

と考えた場合、左辺は6桁の二進列全パターンでの平均なので、xを同じ6桁の二進列にし
たとき、

・任意の桁について0と1が4回ずつ登場
・任意の2つの(隣り合うとは限らない)桁について00と01と10と11が2回ずつ登場するように、
 各xを構成すればこの等式は必ず満たされます。
(以前「新単語作り」にあった Thue-Morse sequence を思い出しますね)

 このとき、当然ながら、大きい方の4つは小さい方の4つのビット反転になっているのが自
然で、多くの解では、x1+x8=x2+x7=x3+x6=x4+x5=63 となります。

 この中から3乗も満たすものを「どうにかして」ピックアップできたとしましょう。やはり、
1+x8=x2+x7=x3+x6=x4+x5=63 となる解が多い性質は引き継がれることでしょう。これら8つ
の数字は、

  Σk=0〜63 k/64=Σk=1〜8 x/8

  Σk=0〜632/64=Σk=1〜8 x2/8

  Σk=0〜633/64=Σk=1〜8 x3/8  (xは0以上の整数)

を満たすように構成したものでしたが、このとき、

Σk=1〜64 k/8 = Σk=0〜63 (k+1)/8 = Σk=1〜8 ( x+1)
Σk=1〜642/8 = Σk=0〜63 (k2+2k+1)/8 = Σk=1〜8 (x2+2x+1) = Σk=1〜8 (x+1)2
Σk=1〜643/8 = (同様) = Σk=1〜8 (x+1)3

なので、k=0〜63 の解それぞれに1を足したものが、k=1〜64 の解になり、逆もまた真なの
で、本来の方程式では多くの解が x1+x8=x2+x7=x3+x6=x4+x5=65 となります。

 ...といっても、もちろん全てがその形の解というわけではなく、数学的背景があまり見え
てこない解も当然存在するわけですが、それらもきちんと左辺で足した数の範囲内にあると
いう秩序を守っているというのが、私には不思議で仕方がないのです。


 GAI さんからのコメントです。(平成26年11月9日付け)

 らすかるさんの気づきの和65に関するパターンが多数存在するに関して、魔方陣について
ハッとすることを思い付いたので報告してみます。

 1〜64 の数を下記のように8×8の方陣(A)に配置すると、各行、各列、2つの対角線の和
は全て260の魔方陣になっています。

    (A)
59 50 48 37 29 24 10 03

46 39 57 52 12 01 31 22

26 19 13 08 64 53 43 34

15 06 28 17 41 36 62 55

56 61 35 42 18 27 05 16

33 44 54 63 07 14 20 25

21 32 02 11 51 58 40 45

04 09 23 30 38 47 49 60

 さらに、これの各数の平方数

3481 2500 2304 1369 0841 0576 0100 0009

2116 1521 3249 2704 0144 0001 0961 0484

0676 0361 0169 0064 4096 2809 1849 1156

0225 0036 0784 0289 1681 1296 3844 3025

3136 3721 1225 1764 0324 0729 0025 0256

1089 1936 2916 3969 0049 0196 0400 0625

0441 1024 0004 0121 2601 3364 1600 2025

0016 0081 0529 0900 1444 2209 2401 3600

にしてみると、これも各行、各列、2つの対角線は全て11180の魔方陣になっています。

 ここで、65に関する(A)の補数魔方陣(B)を構成しても

    (B)
06 15 17 28 36 41 55 62

19 26 08 13 53 64 34 43

39 46 52 57 01 12 22 31

50 59 37 48 24 29 03 10

09 04 30 23 47 38 60 49

32 21 11 02 58 51 45 40

44 33 63 54 14 07 25 20

61 56 42 35 27 18 16 05

 平方数に関しても同様に(A)の性質を満たします。