秘密会議
当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんからの出題です。
(平成27年5月6日付け)
ある国のプロ野球機構は興行収入の更なる増進を目指して、クライマックスシリーズ最終
戦の方法を、従来の7戦中先に4勝を勝ち取ったチームを優勝というルールを、一方が3ゲ
ーム勝ち越した時、優勝というルールへ改正する議論をした。
従って、A、Bの2チームが戦った場合、Aが優勝となるためには、
AAA、BAAAA、ABAAA、AABAA、BBAAAAA、・・・・・ 、AABABAA、BBABAAAAA、・・・・・
など、ある意味無限の試合が可能となり、その分興行収入が見込まれるであろうと、選手や
監督の疲労には一考も要することなく議論は進んだ。
もし、このルールの元で決勝戦を戦った場合、Aチームが11ゲーム目で7勝4敗の成績で、
Bチームに3ゲーム勝ち越し優勝を決めたとすると、考えられる11ゲームの勝敗のパターン
は何通りあるか?
(答) らすかるさんが考察されました。(平成27年5月6日付け)
xy平面上で、原点から出発しAが勝ち(→yの正方向に1)、Bが勝ち(→xの正方向に1)とし
て、(4,7)まで進むとして、最短距離で、(4,6)まで進むのは全部で、10C4通りで、このうち、
Bが勝つ、すなわち、y=x-3 に触れるのは、y=x-3 に関して、(4,6)と対称な点は、(9,1)だか
ら、10C1通り。
Aが途中で勝つ、すなわち、y=x+3 に触れるのは、y=x+3 に関して、(4,6)と対称な点は(3,7)
だから、10C3通り。このうち1通りは、(0,0)→(3,0)→(3,7)で先にBが勝つパターンなので、
求めるパターン数は、
10C4−10C1−(10C3−1)=81通り
DD++さんが考察されました。(平成27年5月6日付け)
3戦目終了時に勝負が決していない組み合わせは、
AAB 、ABA 、ABB 、BBA 、BAB 、BAA の 23-2=6通り
5戦目終了時に勝負が決していない組み合わせは、
AAB → AABBB 、AABAB 、AABBA
・・・・・・・ の 6×3=18通り
7戦目終了時に勝負が決していない組み合わせは、 18×3=54通り
9戦目終了時に勝負が決していない組み合わせは、 54×3=162通り
何れも、A:5個、B:4個 または A:4個、B:5個
11戦目終了時に勝負が決するのは、多い文字の方が2連勝する場合なので、
162×1=162通り となる。Aの勝利になるのは、この半分なので、81通り
(コメント) DD++さんの、勝負が決しない場合を数えるという手法に痺れました。
GAI さんからのコメントです。(平成27年5月7日付け)
では一般に、一方がnゲーム勝ち越したとき優勝だとすれば、(n+k)勝k敗でn+2*kゲーム目
に優勝できるパターン数は、n^k(通り)あるんですね。こんな公式が生まれるんだ。
らすかるさんからのコメントです。(平成27年5月7日付け)
そうはならないのでは?例えば、6勝2敗で8ゲーム目に優勝となるパターンは、4^2=16 では
なく14通りですよね。
# 公式にするならば、私が書いた考え方によって、
n勝r敗で、n+rゲーム目に優勝となるパターン(n-rゲーム勝ち越しで優勝)の数は、
n+r-1Cr-n+r-1C2r-n-n+r-1Cr-1+n+r-1C2r-n-1 (ただし、nCr は、r が負のとき、0 とする)
となると思います。
DD++さんからのコメントです。(平成27年5月7日付け)
多分、生まれません。3ゲーム勝ち越しの場合、奇数ゲーム目で未決着の場合は必ずどちら
かが1勝勝ち越しになっていて、そのどちらの場合でもその後2ゲームで勝負がつかないのが
3パターンだからこんなことができるのです。
5ゲーム勝ち越しの場合は、1勝勝ち越しか3勝勝ち越しかで話が変わるので、このやり方は
無理です。
それを見越して3勝に設定したのだとばかり思っていたのですが、違ったのですね。
GAI さんからのコメントです。(平成27年5月7日付け)
6勝4敗で10ゲーム目に2ゲーム勝ち越しのパターンは、らすかるさんの公式では、
9C4-9C2-9C3+9C1=15(通り)
なんですが、
1:BABABABAAA 、2:BABABAABAA 、3:BABAABBAAA 、4:BABAABABAA 、5:BAABBABAAA
6:BAABBAABAA 、7:BAABABBAAA 、8:BAABABABAA 、9:ABBABABAAA 、10:ABBABAABAA
11:ABBAABBAAA 、12:ABBAABABAA 、13:ABABBABAAA 、14:ABABBAABAA
15:ABABABBAAA 、16:ABABABABAA
と16(通り)あると思いますが?
らすかるさんからのコメントです。(平成27年5月7日付け)
失礼しました。確かにこの式だとダメですね。図で考えると、6勝4敗の場合は「Aが2ゲーム
勝ち越した後で、Bが2ゲーム勝ち越し、その後Aが2ゲーム勝ち越して6勝4敗」というパターン
を重複して引いていますので、この場合は、n+r-1C3r-2n を足せばうまくいくのですが、「2ゲー
ム勝ち越し」のままゲーム数が増えていくと、さらに項を追加する必要が生じ、うまくありません。
ちょっと考え直します。
#有限項になりませんので、公式としては適切ではありませんが、多分、s=n+r-1、t=n-r と
して、
C(s,r)-C(s,r-1)-C(s,r-t)+C(s,r-t-1)+C(s,r-2t)-C(s,r-2t-1)-C(s,r-3t)+C(s,r-3t-1)+…
をCの右側パラメータが負になる前まで計算すれば、正しい答えになる気がします。