階数
当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
(平成26年3月19日付け)
次の行列Aの階数(rank)を求めなさい。
A={(-2,11,23,-5,7),(17,5,13,-19,3),(-7,-23,-11,2,-29),(29,-3,-17,-13,19)}
(答) 土筆の子さんが考察されました。(平成26年3月19日付け)
取り急ぎ、計算だけしておきます。
MatrixRank[{{-2, 11, 23, -5, 7}, {17, 5, 13, -19, 3}, {-7, -23, -11, 2,
-29}, {29, -3, -17, -13, 19}}]
=4
(コメント) 大学1年生になったつもりで解いてみました。
a=(-2,17,-7,29)、b=(11,5,-23,-3)、c=(23,13,-11,-17)、d=(-5,-19,2,-13)、e=(7,3,-29,19)
とおくと、a、b、c、dは一次独立で、a、b、c、d、eは一次従属となる。
実際に、det(a,b,c,d)=det{(-2,11,23,-5),(17,5,13,-19),(-7,-23,-11,2),(29,-3,-17,-13)}
=-2det{(5,13,-19),(-23,-11,2),(-3,-17,-13)}-17det{(11,23,-5),(-23,-11,2),(-3,-17,-13)}
-7det{(11,23,-5),(5,13,-19),(-3,-17,-13)}-29det{(11,23,-5),(5,13,-19),(-23,-11,2)}
=-2(-9882)-17(-6858)-7(-2376)-29(6588)=-38070≠0
以上から、行列Aの階数は、4となる。(計算に「WolframAlpha」を使用しました...f(^_^;)。 )
よおすけさんからのコメントです。(平成26年3月20日付け)
解答ありがとうございます。この行列は、素数10個をプラスマイナス合わせて20個使ったも
のです。同じ数字20個でも、配置によってrankが変わることはあるの・・・かな?
(コメント) 最初、行列の成分を見て掃き出し法で計算することを諦めました。確かに成分を
見ると、素数ばかりでしたね!
3×3の行列で実験すると、rankはいつも3とは限らず、rankが2に落ちる場合が
簡単に作れそうです。
実際に、ある小正方行列式で、ad−bc=0 とすると、a=ck、b=dk (k:定数)
と書けるが、a、b、c、d が異なる素数のとき、必然的に、k=−1となる。
そこで、A={(2,3,5),(-2,-3,-5),(7,-7,11)} とおけば、一次独立な行ベクトルは、2個な
ので、階数は2となります。
りらひいさんからのコメントです。(平成26年3月20日付け)
符号が逆の数字を使っているんだから、ランクを3以下にするには行ごと符号を反転させた
ものを用意すればとても簡単にできますね。
{{-2,11,23,-5,7},{17,-29,13,-19,3},{2,-11,-23,5,-7},{29,-3,-17,-13,19}}
列の場合は二組必要だけど、こちらも簡単にできます。
{{-2,3,23,2,-23},{17,5,13,-17,-13},{-7,-5,-11,7,11},{29,-3,-19,-29,19}}
絶対値が等しく符号が逆のペアを同じ列になるように配置するのも簡単ですね。
{{-2,11,23,-5,7},{17,-11,13,-19,3},{-17,29,-13,5,-7},{2,-29,-23,19,-3}}
土筆の子さんからのコメントです。(平成26年3月23日付け)
検算のみです。
MatrixRank[{{-2, 11, 23, -5, 7}, {17, 5, 13, -19, 3}, {-7, -23, -11, 2, -29}, {29, -3, -17, -13, 19}}]
=4
MatrixRank[{{-2, 11, 23, -5, 7}, {17, -29, 13, -19, 3}, {2, -11, -23,5, -7}, {29, -3, -17, -13, 19}}]
=3
MatrixRank[{{-2, 3, 23, 2, -23}, {17, 5, 13, -17, -13}, {-7, -5, -11, 7, 11}, {29, -3, -19, -29, 19}}]
=3
MatrixRank[{{-2, 11, 23, -5, 7}, {17, -11, 13, -19, 3}, {-17,29, -13, 5, -7}, {2, -29, -23, 19, -3}}]
=3